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米クアルコム、インドでのTD-LTE事業で地元企業とJV

2010.04.07

Updated by WirelessWire News編集部 on April 7, 2010, 14:00 pm JST

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(cc) Image by Dipanker Dutta

4月9日(現地時間)に実施される周波数帯オークションに、チップベンダー最大手の米クアルコム(Qualcomm)が参戦する。このオークションは11社の争いとなるが、クアルコムが落札した場合、地元の企業とジョイントベンチャーを設立してサービスを提供することになりそうだ。

JVのパートナー候補はインドのGTLインフラストラクチャー(GTL Infrastructure:以下、GTLインフラ)社。同社は、複数の通信事業者にインフラを提供する「シェアード・テレコム・インフラストラクチャー」という事業形態をとっているが、このサービスには地方や都市郊外でのインフラを複数のセルラー会社にシェアしてもらうことで、鉄塔関連の設備投資や運用コストを削減させるメリットがある。2004年設立のGTLインフラは、現在インド全域に2万3700基の鉄塔を建設中という。

今回のオークションで、インド政府は全国22地域(サービスエリア)で、20MHz幅の対(ペア)になっていないTDD用周波数ブロックを2スロットずつ競売にかける。インド全土の1スロットの最低入札価格は3億8600万ドルになる模様。参加者には外資規制があり、クアルコムが応札するにはジョイントベンチャーを介することが条件となる。

この周波数帯はLTEかWiMAXで使われることになるが、これまで業界団体WiMAXフォーラムがWiMAXでの獲得を目指し、ロビー活動を続けていたもの。ところが、周波数割当の遅れでLTEに追いつかれてしまった格好だ。また、スウェーデンのエリクソンは、この周波数帯はLTEが適していると主張。「インドでは20MHz幅しか提供されないが、WiMAXには最低でも30MHz幅が必要なことは業界の常識。(これをWiMAXに割り当てると)深刻な干渉問題を惹き起こすだろう」(同社CTOのホーカン・エリクソン:(Haken Eriksson)氏)

いずれの技術も、インドという巨大な新興国市場で採用されれば、その量産効果から機器の価格低下が起こり、それがさらに世界各国での採用を促すことにつながる。そのことから、WiMAX推進派にとっても、今回のインドのオークションは正念場となるだろう。

【参照情報】
Qualcomm in JV talks with India's GTL Infra (MarketWatch)
Ericsson lobbies for LTE in India (FierceBroadbandWireless)

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