メキシコで約3000万の携帯電話回線が強制切断に(追記あり)
2010.04.12
Updated by WirelessWire News編集部 on April 12, 2010, 09:08 am JST
2010.04.12
Updated by WirelessWire News編集部 on April 12, 2010, 09:08 am JST
メキシコで4月9日(現地時間)から約3000万の携帯電話回線が使用不能になった。
※続報によれば回線切断の実施は延期されたとのこと。詳細は追記を参照。
同国では昨年、携帯電話の犯罪利用を撲滅するため、携帯電話加入者の本人確認を事業者に求める法律が制定されたが、今回の回線強制切断はこれを受けたもの。
この法律施行に対して、市場シェア第1位(71%)のアメリカ・モビール(America Movil)は、1日あたり980万ドルを失うことになることから、施行延期をぎりぎりまで政府に求めてきたが、議会に拒否された。同社は回線の切断に踏み切ったようだが、いっぽうシェア第2位のスペイン系キャリア、テレフォニカ(Telefonica)は8日、同法が施行されてもサービス提供を続行し、必要なら法廷で争う姿勢を示しているという。
メキシコの携帯電話契約数は現在約8300万で、2004年の3845万から2倍以上になっているが、プリペイドの比率が高く、誰でも簡単に入手できたらしい。店頭での購入時には、身分証明書の提示なども不要で、買ったプリペイドカードの料金がなくなっても着信を受けることができるなどから、携帯電話が身代金要求などの犯罪で使われても利用者を特定することができなかった。
政府はテレビなどを通じて加入者に呼びかけてきたが、登録は5470万回線分にしか届かなかった模様。登録と言っても店頭に出向いて身分証明書を見せるということではなく、携帯電話のテキストメッセージで自分の情報を送信するだけでよかったらしいのだが。
追記(4月13日):Businessweek.comが4月12日付記事「Mexico Mobile Carriers Get More Time to Confirm Users 」にて追加で報じたところによると、直前に議会の方針が変更になり、切断は14日以降に延期された。各キャリアに締切直前に駆け込みで登録した人々のデータを処理する時間的余裕を与えるため、実際の切断は、プランを提出の上、徐々に行ってもよいという決定がされた。
【参照情報】
・America Movil to Suspend Some Mexico Lines; Telefonica Balks (BusinessWeek.com)
・Mexican cellphone users face sudden silence (Washington Post)
・メキシコの携帯電話、3000万回線が「強制遮断」の可能性(ロイター)
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