アルカテル・ルーセント、モバイル広告分野に進出へ - 流動化する業界の境界線
2010.04.15
Updated by WirelessWire News編集部 on April 15, 2010, 11:28 am JST
2010.04.15
Updated by WirelessWire News編集部 on April 15, 2010, 11:28 am JST
▼Alcatel-Lucent Worldwide Homepage
昨年米グーグル(Google)がアドモブ(AdMob)を、そして米アップル(Apple)がクアトロ・ワイアレス(Quattro Wireless)を買収して以来、モバイル広告分野が一躍注目を集める存在になっているが、そんななかでこのほど通信機器ベンダーの仏アルカテル・ルーセント(Alcatel-Lucent)が、モバイル広告プラットフォーム「Optism」を提供すると発表した。
Optismは、アルカテル・ルーセントが運用し、欧州各国の携帯電話会社や広告主、広告代理店に提供される。広告主や広告代理店からすると、各国に複数の携帯電話会社が存在し、広告主の商品やサービスのターゲット顧客は複数の携帯電話会社に分散しているので、個々の携帯電話会社に個別に広告を配信していては非効率。そこでアルカテル・ルーセントのOptismが、各携帯電話会社の加入者をオプトインで集めて大群効果を出せれば、広告主には広告出稿を効率化、携帯電話会社には新たな広告収入をもたらすという枠組みだ。
アルカテル・ルーセントはOptismに関し、自社ブランドを隠して、携帯電話会社に「ホワイト・レーベル」で提供するとのこと。広告はSMS(ショートメッセージサービス)やMMS(マルチメディアメッセージングサービス)で送られる。
固定系の電気通信事業者は、自らを「土管屋さん」と呼ぶことがあるが、これはトラフィックを単に運ぶだけで付加価値を付けられないーしたがってARPUを上げることができないことへの自嘲の意味合いも含まれている。同じような表現に「ダム・パイプ」(dumb pipe)」というものもあるが、いずれにせよ急激にコモディティ化が進む携帯電話サービスでは、各社が新たな財源を求めて必死になっている。
アルカテル・ルーセントは2009年11月に、通信キャリアとアプリケーション開発者の間を取り持つアプリケーション・ブローカー事業にも進出している。これに対抗するように、スウェーデンのエリクソン(Ericsson)は2010年2月にモバイル用アプリケーションを売るeStoreをオープン。同社は世界10億人の加入者に課金・請求する仕掛けも持っているそうだ。通信機器ベンダーが次々に新規事業に乗り出し、業界の境界線がぼやけていくようだ。
【参照情報】
・AlcaLu Unveils Mobile Ad Platform (Light Reading Mobile)
・AlcaLu Turns Apps Broker (Light Reading Europe)
・全携帯電話ユーザ向けの新しいアプリケーションストア (エリクソン プレスリリース)
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