電通と博報堂、企業のモバイル活用を支援するASP型サービスを5月に相次ぎ提供
2010.05.17
Updated by WirelessWire News編集部 on May 17, 2010, 10:20 am JST
2010.05.17
Updated by WirelessWire News編集部 on May 17, 2010, 10:20 am JST
広告代理店大手の電通と博報堂が、5月に相次いでモバイル端末を対象にしたASP型サービスを開始する。電通はiPhone/iPad向けのアプリ内課金機能を、博報堂はモバイルCRMを、それぞれASP型で提供する。モバイルを活用したサービスの提供を目指す企業にとっては、システムを一から構築する必要がなく、コスト面でも導入スピード面でもメリットを得られる。
電通が提供するのは「Samurai Purchase iPhone/iPad版」。5月7日にサービスを開始した。iPhoneおよびiPadに実装したアプリケーションで、アプリ内課金を実現するサービスである。アプリ内課金とは、ユーザーがゲームアプリでアイテムや追加ステージを購入したり、雑誌や動画など追加するタイプのコンテンツをアプリ内で販売する場合に使う機能。通常のアプリ開発に加えて、アプリ内課金機能の組み込みや、購入情報などを管理する販売管理システムが必要になる。
国内でもiPadが5月末に発売されることになった。電通では、これに伴ないデジタルコンテンツの販売が今後も続伸し、アプリ内課金へのニーズが高まると予想した。そのため、コンテンツプロバイダが低コストで迅速にアプリ内課金を実現できるプラットフォームをASP型で提供することになった。
Samurai Purchase iPhone/iPad版は、電通とコニットが共同で提供するサービスとなる。追加コンテンツ用のサーバーコンテンツ管理画面と、端末用のライブラリをセットで提供。簡単な設定だけでコンテンツのアプリ内課金が可能になる。当初はiPhone/iPad向けの提供だが、6月をメドにAndroid版の提供も予定している。
一方、博報堂が提供するのは購買連動型モバイルCRMプラットフォーム「クルカ(curuca)」。同社とシナジーマーケティングが共同で5月から提供を開始する。携帯電話を活用して顧客ごとに購買や利用の履歴を把握し、再来店を促す仕組みを提供する。
▼「クルカ(curuca)」 の全体概要(PDF)
クルカでは、携帯サイトで会員登録した顧客が商品を購入したりサービスを利用したりしたとき、店舗に設置したリーダーで顧客専用のページ(マイページ)への誘導を促すURLを提供する。顧客がマイページにアクセスして購入金額や利用金額を登録することで、金額に応じたポイント付与などができる。利用履歴などの顧客情報はシナジーマーケティングのデータベースに蓄積。集取したデータを元に博報堂がCRM分野で蓄積したノウハウを生かして再来店を促す施策を提案する。
各地に店舗を展開している外食産業や小売・流通産業の企業に対して、一度来店した顧客の再来店を促すCRMを自社開発せずに導入したいニーズを満たすサービスとして提供する。
いずれもASP型(SaaS)のサービスで提供するところがポイント。携帯電話やスマートフォンを活用して自社の事業拡大につなげようという企業のニーズに対して、システムの開発などの面倒をなくしてスムーズなサービス導入を可能にする。電通、博報堂の大手2社がASP型のサービスを提供することで、企業のモバイル活用により一層弾みが付きそうだ。
【報道発表資料】
・デジタルコンテンツ課金支援サービス「Samurai Purchase」、iPhone/iPad端末向けにASPサービスとして提供開始(電通/PDF)
・携帯電話を活用した購買履歴に基づく再来店施策を低負担・迅速に導入できるモバイルCRMプラットフォーム『クルカ(curuca)』、提供開始(博報堂/PDF)
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