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ベライゾン・ワイヤレス、自社保有LTE周波数帯を地域キャリアと共同利用へ

2010.05.14

Updated by WirelessWire News編集部 on May 14, 2010, 15:11 pm JST

米ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless:以下、ベライゾン)は、オークションで落札して保有しているLTE用の700MHzを、米国内の複数の地方のキャリアと共有することで、LTEの展開スピードを上げようとしていると、ロイターなどが伝えている。

ベライゾンは、LTEの商用サービス提供を2010年第4四半期に全米25から30ヶ所で開始し、人口1億人程度をカバーする計画を打ち出しているが、このための周波数帯として2008年にFCC(連邦通信委員会)のオークションで100億ドル近い額で獲得した700MHz帯をあてる予定だ。

今回の地域キャリアへの提案は、ベライゾンがこの周波数帯を安くライセンス提供し、地域キャリアが地元でLTEサービスをエンドユーザに提供するというもので、必要な設備は地域キャリアまたはベライゾンが構築する。ベライゾンとしては、これによって利益を上げることが主たる目的ではなく、あくまでも自社単独でやるよりも素早くカバー範囲を拡大するため。カバー範囲が拡大できれば、地域キャリアの加入者も、別の都市に移動してもベライゾンのサービスをシームレスに受けることができることになる。

ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications)と英ボーダフォン(Vodafone)の合弁会社(資本比率は55:45)であるベライゾン・ワイヤレスは現在加入者数で米国No.1の携帯電話会社。親会社のベライゾン・コミュニケーションズは固定系ブロードバンドのDSLや、旧来の電話サービスに関して地方の市場を軽視し、それらを切り捨てようとしてきたが、LTEというモバイル・ブロードバンドの領域では、地域キャリアと提携することにより、地方でのプレゼンスを取り戻すことができる。なお、地域キャリアとの契約はこれから締結されることになる。

規制当局であるFCCのジュリウス・ゲナコウスキィ(Julius Genachowski)委員長は、ベライゾンのこの動きを歓迎しているようだ。提携に関して何らかのガイドラインがないと、オークションで周波数だけ獲得する電波ブローカーを許すことになりかねないが、今回のベライゾン・ワイヤレスの取り組みは、あくまでもエリア拡大のスピードアップであり、同委員長は「心強いことだ」と述べている。

【参照情報】
Verizon Aims LTE At Rural Markets (Broadband Reports)
Verizon eyes rural carrier deals to help expand LTE (Reuters)
Verizon considers licensing LTE spectrum to rural carriers (FierceWireless)

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