世界最大のSNS（ソーシャルネットワーク）である米フェイスブック（Facebook）が18日（米国時間）、携帯電話会社と提携し、データ通信料金（いわゆるパケット代）無しで利用できる携帯電話向けFacebookサイト「ゼロ」（0.facebook.com）をオープンした。世界45カ国のオペレータ50社で利用できるが、日本は含まれていない。このニュースは2月にいったん流れたがFacebookはこれまで正式なコメントを発表してこなかった。

Facebookは従来からモバイル版（m.facebook.com）を提供しているが、「ゼロ」でもこれらのソーシャルネットワークとしての主要機能は使えるものの、基本はテキストベースで動画はもちろん写真も表示されない（正確には動画や写真を表示するにはクリックすればよいが、その際には通信料金が発生する）。主要なターゲットは、携帯電話の利用が伸びている新興国と、携帯電話への依存度の高い若年層ではないかと思われる。「ゼロ」は操作や表示のスピードを意識して設計したサービスで、今後最低12ヵ月間は、どのオペレータもデータ通信料金無料で提供する契約のようだ。

対応したオペレータは今後も増えるとのことだが、ブラジルはシェア3位のTIM、フィンランドはMVNO事業者のSaunalahti、フィリピンは4位のSun Cellularなど、まずは各国の市場におけるチャレンジャーを中心に契約交渉したのではないかと推測される。ハンガリーはシェアNo.1のT-Mobileなど、すべて2位以下ということではないし、インド、チュニジア、エスサルバドルとギリシアは2社、インドネシアとトルコは3社が対応している。これまでSMS（ショートメッセージングサービス）系のソーシャルネットワークに市場を奪われていたモバイル回線の「細い」国々で、無料を前面にシェアを獲得するというFacebookの世界戦略の今後が注目される。

▼Fast and Free Facebook Mobile Access with 0.facebook.com (同社ブログ)

【参照情報】
・Facebook Launches Stripped-Down Mobile Site That Is Exempt From Data Charges (SFGate)
・New Text-only Facebook Mobile Site Designed for Speed (PCWorld)
・Facebook launches '0′, a free, low-bandwidth mobile site for breaking into emerging markets (MobileBeat)
・Fast and Free Facebook Mobile Access with 0.facebook.com (同社ブログ)