インドの3Gサービス、年内にも提供へ - 300ドルのスマートフォンも登場
2010.06.01
Updated by WirelessWire News編集部 on June 1, 2010, 11:06 am JST
2010.06.01
Updated by WirelessWire News編集部 on June 1, 2010, 11:06 am JST
インドのアイディー・セルラー(Idea Cellular)は、GSMシェアで4位、株式の時価総額では3位の携帯通信事業者だが、その同社が先頃終わった3Gオークションで落札した周波数を使ったサービスを今年中にも開始するという。
アイディー・セルラーは現在、3G装置の調達について、ノキア・シーメンス・ネットワークス(Nokia Siemens Networks)、ファーウェイ・テクノロジーズ(Huawei Technologies)、ZTE Corp、エリクソン・テレフォン(L.M. Ericsson Telephone)の4社と協議中とのこと。同社は、先頃の3Gオークションでインド全国22エリアのうち、マハラシュトラ州、パンジャブ州など11エリアで周波数帯を落札しており--落札金額は576億9000万ルピー(1ルピー=1.97円換算で約1136億4930万円)--この周波数帯を使った商用サービスを今年第3四半期(9ー12月期)に始めるという。
インドでは携帯通信事業者の競争が激しく、規制当局のTRAI(Telecom Regulatory Authority ofIndia)がインド政府に対して、事業者の統合を促す勧告を行ったばかりだが、インド政府の電気通信局(Department of Telecommunications(DoT))はこの提案を却下するだろうとの観測もある。そのため、携帯各社は当分の間、激しい値下げ競争を続けなければならないようだ。
そんななか、アイディー・セルラーは3Gサービス用に、300ドル(1ドル=91.3円換算で約2万7400円)のスマートフォンを売り出すという。300ドルなら安そうにも思えるものの、インドの携帯電話機は平均が40ドル程度で、月の利用料は平均5ドル。そのため300ドルの端末は、極めて高価なものとなる。
アイディー・セルラーとしては、データサービスの利用料が毎月50セントという同国の市場環境をふまえて、都会に住む富裕層の若者や法人を主なターゲットと考えているようだ。ちなみに、世界銀行の推定ではインドの人口の3分の2は、1日に2ドルで暮らしているというBusiness Week記事の指摘もある。
インドの携帯電話ユーザーは現在約5億8400万人で、普及率は2004年末で4.46%だったものが2009年末には44.73%へと急増している。今年4月には1ヶ月間で新たに1680万人が新規契約し、同月末にはユーザー数が6億人の大台に達した。
なお、上記Business Weekの記事には、インド人の5%がスマートフォンを所有しているとある。インドの人口は約12億人であるため、5%としても約6000万人。この数字の真偽は確かめようがないが、いずれにしても富裕層の間でスマートフォンが普及すれば大きな数字になることは中国市場と同様、ほぼ間違いないようだ。
【参照情報】
・Idea Cellular likely to launch 3G services in Q3 (total telecom)
・Indian Phone Operators Gain After Report Government May Reject TRAI Plan (Bloomberg)
・Idea Cellular to Sell 3G Services on $300 Smart Phones in India (Bloomberg Businessweek)
・インドの3Gオークションが終了 - 落札額は110億〜146億ドルに
・インド当局、携帯通信キャリアのM&A加速を勧告
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