ドイツの週刊誌Focusが、ドイツテレコム(Deutsche Telekom)と米アップル(Apple)排他的契約の満了により、ドイツでの独占的なiPhone提供が終わり、少なくとも新たに2つの通信キャリアがiPhone販売を開始することになりそうだと報じている。
ドイツテレコム配下のT-Mobileは、2007年からT-Mobileへの加入契約を条件に、iPhoneを独占的に販売していた。英ボーダフォン(Vodafone)は、この独占権を不満としてドイツの裁判所に提訴し、裁判所はT-Mobile に対して加入契約抜きでも消費者にiPhoneを販売するよう命じている。
当時の記事によると、判決に従い、ドイツテレコムは、従来から399ユーロ(約6万5000円)で提供していたT-Mobileの加入契約付きiPhone に加えて、SIMロックフリーのiPhoneを999ユーロ(約16万円)で提供開始した。
余談ながら、ドイツテレコムは2009年4月にSkype for iPhoneの利用をブロックすると発表した。その際に3Gネットワークのみならず、Wi-Fiスポットからのアクセスもブロックしたためユーザから疑問の声が上がったという。しかしながらこの措置は同年夏には廃止され、代わりにスカイプ利用料を課すことにしたという。
独占販売権終了の情報源はアップルと交渉中の他のキャリアで、ドイツテレコムはコメントしていない模様。Focus誌によればアップルとドイツテレコムの契約には、今年の末にはどちらの当事者(アップルかドイツテレコム)にも契約を解除することができるという条項が含まれているとのことだ。
アップルは各国の通信キャリアに相当難しい条件を課した上で独占販売権を与えていると言われている。アメリカではAT&Tの独占が終わり、ベライゾン(Verizon Wireless)でのiPhoneが利用できるようになるという話題がたびたび出ている。
【参照情報】
・Telekom may lose German iPhone role: report -MarketWatch
・Ende des Telekom-Monopols moglich -FOCUS
・英ボーダフォン、ドイツテレコムのiPhone独占販売権をめぐり提訴 -AFPBB News
・Court orders T-Mobile Germany to sell iPhone without contract -AppleInsider
・ドイツテレコム、傘下T-Mobileへの加入なしでiPhone販売へ -AFPBB News
・Skype for iPhoneが通信事業者に投げかける課題 -@IT
・Nokia Adds Skype App as Free Download -WSJ.com
・ベライゾン対AT&T - カバレージやスマートフォン関連でつばぜり合い -WirelessWire News
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