サムスンのAndroid搭載スマートフォン"Galaxy S"、米大手4社から発売へ
2010.06.29
Updated by WirelessWire News編集部 on June 29, 2010, 15:00 pm JST
2010.06.29
Updated by WirelessWire News編集部 on June 29, 2010, 15:00 pm JST
スマートフォン分野のシェア倍増をねらう韓国サムスン(Samsung)が、米市場で攻勢をかけようとしている。同社はグーグル(Google)のAndroid OS搭載端末Galaxy Sを、携帯通信事業者大手4社を通じて提供していくことを発表した。
サムスンが3月に発表したGalaxy Sは、Android 2.1、1MHzのCortex A8 "Hummingbird"プロセッサ、4インチ・Super AMOLEDディスプレイ、HD動画撮影対応の5メガピクセル・カメラなどを搭載。同社では世界で110社の通信事業者に同端末を提供する予定だが、同市場で競合する事業者には、それぞれ異なる機能を付加した形で提供する。たとえば、米市場第3位のスプリント・ネクステル(Sprint Nextel:以下、スプリント)向けとなる"Samsung Epic 4G for Sprint"は、スプリントにとってHTC Evo 4Gに続く4G対応端末の第2弾で、スライド式QWERTYキーボードが付属する。またオンラインの動画ストアからダウンロードしてテレビ番組や映画を観ることも可能。さらにビデオチャット用の前面VGAカメラや、モバイル・ホットスポット機能も付属するという。
それに対し、同市場首位のベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless:以下、ベライゾン)向けに提供するSamsung Fascinate for Verizonは、ソフトウェア・キーボードのみで、DivXなど複数のビデオ・コーデックをサポート、またDLNAに対応するなど動画再生機能が強化されたモデルとなる。ベライゾンではこれに"V Cast Music and Video"など同社のサービスを利用可能にするアプリケーションを搭載して提供する予定だが、ただし発売日や価格は明らかにしていない。
いっぽう、第4位のTモバイル(T-Mobile)向けに提供予定の"Samsung Vibrant for T-Mobile"には、映画「アバター」などのコンテンツがバンドルされるほか、追加料金なしでTモバイルのWi-Fiネットワークに自動接続できる機能も搭載される。
さらに、iPhoneの独占キャリアである第2位のAT&Tへも"Samsung Captivate for AT&T"の提供が予定されている。
サムスンは世界の携帯電話端末市場で22%のシェアを持つが、調査会社IDCによればより利幅の大きいスマートフォン市場のシェアは5%以下であり、これを今年末までに10%程度まで引き上げる考えをサムスン幹部が明らかにしていた。
大手4キャリアに対してほぼ同時に新製品を提供することについて、IDCのアナリス、ラモン・リラマス(Ramon Llamas)氏は「これまでほとんど聞いたことがない」とし、「サムスンのシェア拡大に役立つだろう」としている。
携帯電話市場全体に占めるスマートフォンのシェアは今年は21%程度だが、これが2014年には50%程度まで増加するとの予測も市場調査会社ヤンキーグループ(Yankee Group)から出されている。また調査会社ガートナー(Gartner)によれば、Android端末はこの1年間に1.6%から9.6%までシェアを伸ばしてきているという。
【参照情報】
・Samsung unveils Galaxy S models for Sprint, Verizon, U.S. Cellular - CNET.com
・Five top U.S. operators pick Samsung Galaxy S phones - Reuters
・Samsung Plans Galaxy Smartphone to Take on IPhone, BlackBerry - Bloomberg Businessweek
・What iPhone? Here Come FOUR MORE Android Phones From Samsung - Business Insider
・スマートフォンのシェア倍増をねらうサムスン - "Galaxy"端末でiPhoneやBlackberryに挑戦
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