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クワッド・プレーで提携するケーブル会社とモバイルオペレーターの事情

2010.07.08

Updated by WirelessWire News編集部 on July 8, 2010, 12:00 pm JST

Time Warner Cable
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米国ケーブルテレビ大手のタイムワーナーケーブル(Time Warner Cable)は、同社は7月6日(現地時間)、4Gモバイル「ホットスポット」デバイス(WiMAX対応モバイル無線ルーター)の販売を開始した。ホットスポット機器の名称は「インテリゴー(IntelliGo)」。

同社は2008年5月にメディア大手のタイムワーナーから分離した、ケーブルテレビ事業を手がける子会社。2009年12月からノースカロライナ州各地を皮切りに、クリアワイヤー(Clearwire)のMVNOで高速モバイルデータ通信サービス(WiMAX)「ロードランナーモバイル(Road Runner Mobile)」を提供している。

デバイスの方は出自が明らかで、シエラワイヤレス(Sierra Wireless)社製のAirCard W801だ。寸法は80×80×15.2mm(通常の名刺の長辺が約90mm)の正方形で重さは127gとなっている(ちなみにイーモバイルのPocket Wifiは95.5×48.6×14.1mmの縦長で、重さ約80g)。Wi-Fiでデバイスを5台まで接続でき、価格は50ドルのメール・イン・リベート(商品と同梱の書類などを郵送すると、後日、割引額分の小切手などが送られてくる)での割り引き後で49.99ドル(1ドル=87.96円換算で約4,397円)。

なお、利用には、ロードランナーモバイルの契約を2年間継続する必要がある。こちらの月額料金は地域やバンドルされるサービスによって異なり、49.95ドルから65.95ドル(約4,394円から5,800円)と幅がある。

利用できる地域は、テキサス州のダラス、サンアントニオ、オースティン、ノースカロライナ州のシャーロット、ローリー、グリーンズボロ、ハワイのホノルルとマウイ、ミズーリ州のカンザスシティの各都市。

なぜ、サービス提供エリアが「点在」しているのか。発端は、米国北東部市場におけるベライゾン(Verizon)やAT&Tなど、クワッド・プレー事業者の通信事業者とケーブル会社の間で発生している新たな競争だ。クワッド・プレー(Quad-Play)は、トリプル・プレー(電話、ビデオ、データ通信)にモバイルを加えた4つのサービスである。

ケーブル会社の場合はモバイルさえ加えればクワッド・プレーに参入できる。その場合、最も効率的で経済的なのがクリアワイヤーやスプリント(Sprint)などとの提携だ。初期投資が圧倒的に小さく、クワッド・プレーの競争が必要な地域限定で容易に参入でき、料金体系も各地でまちまちにすることもできる。

ケーブル会社にとって、モバイルのトラフィックの増大は別ビジネスの機会でもあるようだ。タイムワーナーケーブルは、コムキャスト(Comcast)に次ぐ米国第2位の大手ケーブル会社であるが、コムキャストもWiMAXのMVNOでモバイル事業に参入している。

一方で、既存のモバイルオペレータは、基地局の収容回線も中距離の中継ネットワークも帯域を大幅に増強する必要に迫られている。クリアワイヤーやスプリントにとって見れば、ケーブル会社との提携で回線の調達が楽になる。ベライゾンやAT&Tからの侵攻に立ち向かうケーブル会社と、ベライゾンやAT&Tの大きなシェアに挑みかかるクリアワイヤーらとの利害が、現時点では一致しているということのようである。

【参照情報】
Time Warner Cable sets launch date for 4G -MobileTechNews
Time Warner Cable Debuts Clearwire 4G Hotspot -Gearlog
Sierra Wireless AirCardR W801 Mobile Hotspot
Cable's Move Into Mobile: Calculated and Deliberate -CircleID
米コムキャストとタイム・ワーナー・ケーブル、電波競売に応札しない方針表明 -ロイター

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