HTCには大きな痛手、サムスンのAMOLEDの供給不足は数年続く見込み
2010.07.09
Updated by WirelessWire News編集部 on July 9, 2010, 12:00 pm JST
2010.07.09
Updated by WirelessWire News編集部 on July 9, 2010, 12:00 pm JST
先月下旬、台湾HTCのAndroidスマートフォン、Desire、Droid Incredible、EVO、Nexus One、のタッチスクリーンが、サムスン(Samsung)製のAMOLED(アクティブマトリクス方式有機発光ダイオード)から、ソニー製のSuper LCDに順次切り替えられていくと報じられた。
理由はサムスン・モバイル・ディスプレー(SMD)社の生産が追いつかないことだ。同社はGalaxy Sシリーズなどサムスン電子のスマートフォンへのAMOLED供給を優先するという。
調査会社のアイサプライ(iSuppli)社によるとスマートフォン用のAMOLEDの出荷個数は2009年に2億4百万。同年第4四半期でサムソン・モバイル・ディスプレー社がグローバルシェアの約99%を押さえている。圧倒的と言うよりも独占していると言ってよい状況だ。
サムソンのGalaxy Sは1,000万から1,500万台の出荷を見込んでおり、SMDの 2009年のAMOLED出荷は約2,040万個なので一見すると他社に回す余裕もありそうに見える。しかし、2014年にはAMOLED需要は 1億8450万個に急増すると見込まれているのだ。SMDが22億ドルを投じて建設中の工場が2012年に稼働しはじめても、HTC など他社の需要に応えられるようになるには数年を要するとアイサプライ社は見ている。
LCDと違って自ら発光するAMOLEDはバックライトを必要としないので薄型化、軽量化が可能で、しかも視野角が広くコントラスト比も高い。一度AMOLEDを見慣れると、旧来のLCDが「くすんで」見えるとまで言われるほど色彩コントラストが鮮明なスクリーンだけに、HTCにとっては手痛い状況がしばらく続くことになりそうだ。
【参照情報】
・Shortage on AMOLED screens has some phone makers worried -Android nd Me -WirelessGround.com
・OLED Shortages Cause Concerns in Smart Phone Market -isuppli
・HTC switching to Sony Super TFT LCDs from Samsung AMOLEDs -Android and Me
・サムスンがAndroid端末「GALAXY S」を披露、4インチ有機ELと1GHz独自プロセッサ搭載 -ITpro
・「AMOLED」こそ次世代ディスプレイの大物 -ITmedia +D
・AMOLED Shortage Might Last For Years -phandroid.com
・AMOLED Market Waiting for More Suppliers -DWS Display
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