アップル、iOS向けアプリの条件を緩和 - Flashアプリ解禁へ
2010.09.10
Updated by WirelessWire News編集部 on September 10, 2010, 13:57 pm JST
2010.09.10
Updated by WirelessWire News編集部 on September 10, 2010, 13:57 pm JST
iTunesのApp Store経由で流通するアプリケーションに関して、これまで比較的厳しい条件を課してきたアップル(Apple)が突如態度を軟化させたとさまざまな媒体が報じている。
アップルは9日(米国時間)、iPhoneやiPad向けのアプリケーション開発に関して、サードバーティ開発者に求める条件の変更を行うことを明らかにした。主要な変更点のひとつは、Flash用開発ツールなど他社の開発ツールで作成したアプリをiOSデバイス用に変換したものを新たに認めるとした点。これにより、従来は禁じられていたFlashアプリをApp Storeで流通させることが可能になる。ただし、Flashを使用したウェブサイトへのアクセスは、プラグインのダウンロードが必要なことから引き続き不可とされている。
また、iPhone向けの広告配信を手がけるグーグル傘下のアドモブ(AdMob)など、サードパーティーに情報を送信するアプリも、今回の条件変更で可能とされた。
さらにアップルは、アプリ開発者の間から批判の声が上がっていたApp Storeでのアプリケーションの承認プロセスに関する透明性を高めるために、承認基準を明示したガイドラインを公開することも明らかにした。
アップルはFlash技術について、今年4月に発表したパブリックレターの中で、同技術には重大な欠陥があるとして批判、Flash用開発ツールをはじめとする他社製ツールを使って開発されたアプリの取り扱いを拒否していた。
今回の方針転換の理由について、アップルから明らかな形での説明は出されていないが、その背景には競合する他のスマートフォン陣営へサードバーティのアプリ開発者が流れることを食い止めたいとの思惑があるとみられる。
iOSプラットフォーム向けに開発されたアプリの数は現時点で約25万種類に上り、約6万〜7万種類のアプリが存在するAndroid OSプラットフォームなど、他の陣営を大きく引き離している。ただし、携帯端末の普及台数でiOS陣営を急追するAndroid陣営にはサードバーティ開発者の期待も高く、6月にアプセレレイター(Appcelerator)という米のモバイルアプリ開発用ツールベンダーが発表した調査結果によると、回答者2733社/人のうち、50%以上が「Androidにもっとも長期的な潜在力を感じる」と答え、いっぽうアップルのiOSを挙げた者は40%にとどまったという。
また、Wall Street Journalなどでは、Flashアプリの流通やサードパーティ製アプリへのデータ送信を認めないアップルの規制について、米連邦取引委員会(The U.S. Federal Trading Commission:以下、FTC)が調査を進めており、アップルでは自社の厳しい規制が独禁法に触れることを回避する狙いで、今回の条件変更に踏み切ったという可能性も指摘されているが、ただしアップル、FTCのいづれからもコメントは得られていないという。
【参照情報】
・Statement by Apple on App Store Review Guidelines - Appleプレスリリース
・Apple Lifts Restrictions for App Approvals - New York Times
・Apple Eases App-Development Restrictions - Wall Street Journal
・Apple to Publish App Store Guidelines, Relax Rules - Bloomberg
・Apple eases app restrictions, Adobe shares jump - Reuters
・端末数、通信キャリア、開発者... - Android優勢の予兆を感じさせる数字
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