世界最大のユーザー数を誇るソーシャルネットワークサービス（SNS）の米フェイスブック（Facebook）が、独自ブランドのスマートフォンの開発に取り組んでいると、Bloombergが23日付の記事で報じた。

匿名の情報筋の話として同記事が伝えたところでは、フェイスブックは英国の携帯電話メーカー、INQモバイル（INQ Mobile）と協力して2種類のスマートフォンを開発しており、これらの端末はまず2011年前半に欧州で発売され、米国では同年後半に投入される可能性が高いという。なお、対応する通信事業者について、米AT&Tの名前が候補に上がっているが、AT&Tとの交渉はまとまっていないという。また欧州については、INQ Mobileと関係の深いカーフォン・ウェアハウス（Carphone Warehouse Group PLC）を含む数社が取り扱うことになりそうだ。さらに、香港のハッチソン（Hutchison Telecommunications）でも同端末の取り扱いを検討しているという。

▼INQ Mobile

開発中のスマートフォンはいずれもグーグル（Google）のAndroid OSを採用し、一方はQWERTYキーボードとタッチスクリーンの併用、もう一方はタッチスクリーンのみだという。

すでに全世界に5億人以上のユーザーがいるフェイスブックだが、同サービスへのアクセスのうちモバイル端末経由のものがすでに約4分の1を占めており、「どのスマートフォン端末においてもフェイスブックは非常に人気の高いアプリケーションだ」（フォレスター・リサーチのアナリスト、オージー・レイ（Augie Ray）氏）という。

広告の売上が収入の大半を占めるフェイスブックとしては、独自ブランドのモバイル端末を投入することで、自社サービスのユーザー数増加ならびに売上増加を促進できるほか、iPhoneを擁するアップルやAndroid OSを無償で提供して影響力拡大を狙うグーグルを牽制する狙いもあるとみられる。

【参照情報】
・Facebook Said to Be Working on Phones With INQ for AT&T - Bloomberg
・Facebook working on creating two smartphone devices: report - Reuters
・Facebook Phone: All You Need To Know + New Details - GIgaom
・Facebook Is Secretly Building A Phone - TechCrunch