ドイツ・テレコムが屋外広告事業に進出 - 関係者からは疑問の声も
2010.09.29
Updated by WirelessWire News編集部 on September 29, 2010, 09:11 am JST
2010.09.29
Updated by WirelessWire News編集部 on September 29, 2010, 09:11 am JST
ドイツ最大の電気通信事業者であるドイツテレコム(Deutsche Telekom)が、屋外広告(デジタルサイネージ)分野に期待を寄せている。
同社のラインハルト・ハンセス(Reinhard Hanses)副社長によると、同社は屋外広告事業に少なからぬ金額を投資しており、5年以内に同事業で国内上位3社に入ることを目指しているという。
ドイツテレコムは、ドイツ国内の空港や駅をはじめとして、全国にあわせて10万台の公衆電話を保有する。電気の供給を必要とする公衆電話の近くに、同じく電気を必要とするデジタルサイネージを設置することで、資産を有効活用できるとハンセス氏は説明する。公衆電話にかかる設備投資・維持コストを回収し、新たな収入源とする狙いだ。
同社の予想によると、今後5年以内に、デジタル広告は屋外広告市場の2割から3割を占めるようになるという。同社ではこの広告市場で7〜8割のシェアを獲得したい考えで、すでにドイツの3都市で公共スペースに広告を出す権利を獲得しているほか、23ヶ所のショッピングセンターにスクリーンを設置し、5つの空港と合意に至っているという。
いっぽう、ドイツテレコムのこの動きに対しては疑問の声も上がっている。たとえば、世界第2位の屋外広告会社でドイツの屋外広告市場で20パーセントのシェアをもつ仏ジェーシードゥコー(JCDecaux SA)のCEOは、屋外広告と電気通信事業者という組み合わせに触れ、「なぜドイツ・テレコムがこの分野に進出するのか、誰にも理解できない」とコメント。またドイツ・テレコムの株式を保有するあるファンドマネージャーも、「屋外広告と電気通信事業の間につながりを見いだせない」としている。
いずれにせよ、ドイツ国内だけでも280億ドルの売上(2009年度)があるドイツテレコムであるだけに、屋外広告事業からの売上が全体に寄与するまでにはしばらく時間がかかりそうだとBloombergの記事は伝えている。
【参照情報】
・Deutsche Telekom's Foray into Ad Space Confounds Market - Bloomberg
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