RIM、BlackBerryの監視問題でインド政府にさらなる譲歩
2010.10.04
Updated by WirelessWire News編集部 on October 4, 2010, 11:17 am JST
2010.10.04
Updated by WirelessWire News編集部 on October 4, 2010, 11:17 am JST
インド政府が、BlackBerryを製造するカナダのリサーチ・イン・モーション(Research In Motion:以下、RIM)に対し、同社製端末経由で送受信されるメールやインスタントメッセージなどを監視できるように求めている件で、インド内相は現地時間1日、RIMがメッセンジャーサービスの一部について同政府にアクセスを認めたと語った。またRIMが同政府に、2011年1月1日までに同サービスをリアルタイムで自動監視できるようすることを約束したことも明らかにした。
インド政府は、高度な暗号化機能を持つBlackberryがテロ行為やその他の非合法活動に悪用されることを懸念し、同端末でやりとりされるメッセージデータを監視できるようにすることをRIMに求め、この要求が認められなければBlackBerryを利用禁止にするとしていた。これに対し、RIMは8月末に同政府にこの問題の解決策を提示し、その検証のために60日の猶予期間を与えられていた。
こうした経緯から、現在はインド当局がRIMにデータ開示を要求してから4〜5時間で、BlackBerryユーザーがやりとりしたメッセージのプリントアウトを入手できるようになっている。だが、インド政府ではデータを自動的に入手可能にし、リアルタイムに監視を行えるようにすることを望んでいる。また、企業や組織が利用するBlackBerryのエンタープライズサーバーを経由するメールやメッセージも監視対象に含めたい考えだが、RIMによればこの暗号化されたデータについては利用者である企業や組織しかアクセスできない仕組みになっているという。
RIMは今後の展開について、インド政府と建設的な話し合いができ、前向きな結果になるだろうとの見方を示したものの、同社が提供するセキュリティの基本設計について変えるつもりはないと重ねて主張した。
BlackBerryのメッセージ監視については、RIMはサウジアラビア政府とも監視手段を提供することで合意し、BlackBerryの利用禁止措置を免れていた。
一方で専門家は、電子メールへのアクセスについては、RIM自体にもデータへのアクセス手段がないことから、監視を求める各国と歩み寄るのは容易ではないとの見方を示している。
インド政府はRIMのBlacBerryのほかにも、グーグルの(Google)の提供するGmailや、ネット電話/チャットサービスのSkypeについても監視を行えるよう各社に求めているが、こうした姿勢に対しては医療データなど高度な機密性を求められる情報の処理を行うアウトソーシング・ビジネスの海外流出につながるとの懸念の声も上がっている。
【参照情報】
・India granted limited BlackBerry Messenger access - Reuters
・Indian Government Unhappy With RIM's Solution For Spying On Blackberry Users - MobileCrunch
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