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携帯3社の2Q決算、スマートフォン対応の差が数字に?

2010.11.01

Updated by WirelessWire News編集部 on November 1, 2010, 10:30 am JST

携帯電話大手3社の2011年3月期の第2四半期決算が出揃った。その結果は、ソフトバンクに優しく、KDDIに厳しいものとなった。スマートフォンへのシフトの進展具合が、決算の数値に影響を及ぼしているとも思えるほどだ。決算の数値を確認していこう。

▼2011年3月期第2四半期(累計)の携帯電話3社の決算概要
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減収でも増益を確保--NTTドコモ、

NTTドコモの第2四半期累計(4月〜9月)の決算は、営業収益が2兆1382億円で、前年同期比0.4%の減収。営業利益は5315億円で前年同期比9.5%の増加となった。前年同期比の増収減益となった第1四半期から一転して、利益を確保する決算になった。音声収入は減少した一方、パケット収入やその他収入の増加といった収入の拡大と、端末販売費用やネットワーク関連コストの減少などにより、全体としては増収を確保した。

NTTドコモでは、純増数が前年同期比23万プラスの81万となるなど比較的好調に推移していること、総販売数が3年ぶりに増加したことなどを挙げて、スマートフォンなどの新たな市場への対応が進んでいることをアピールしている。Xperiaの好調な販売に加え、9月1日に開始したスマートフォン向けのISPサービス「spモード」が10月24日時点で34万契約に上るなど、施策が効果につながっている。決算発表の当日には新スマートフォンのGALAXY Sを発売し、今後もマートフォン効果の継続に期待を寄せる。

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今後の事業構造改革に期待--KDDI

KDDIは第1四半期の増収減益から、第2四半期では累計で減収減益の決算になった。営業収益は1兆7184億円(前年同期比-0.3%)、営業利益は2340億円(同-1.2%)と、いずれも前年同期を下回る結果だ。中でも屋台骨を支える移動通信事業は、営業収益が1兆3052億円で前年同期比2.4%の減少、営業利益も2477億円で同9.0%の減少となり、状況の大幅な改善にはつなげられなかった。

4月〜9月の累計純増数では、160万に迫るソフトバンクモバイル、81万のNTTドコモに遠く及ばない42万弱で、39万弱のイー・モバイルに肉薄される数値だ。目立ったヒット端末やサービスがなく、スマートフォンのラインアップも充実させるには至らなかった状況を、数字が的確に物語っている。今後、ようやく本格投入に向かう1台目需要を狙ったスマートフォンなどがどのように市場に受け入れられるか。次期以降の数字でその成果が見えてくる。

一方で、固定通信事業は、営業収益が前年同期比5.7%の増加、営業損益も前年同期比186億円改善した37億円の赤字まで数字を戻した。

増収増益の躍進が続く--ソフトバンク

威勢のいい数字が並ぶのはソフトバンクの決算。第2四半期累計では、営業収益は1兆4650億円と前年同期比8.6の増加、営業利益は3155億円と36.8%の増加になった。移動通信事業が好調で、営業収益が前年同期比13.0%増の9400億円、営業利益は同57.3%増の754億円となった。

純増契約数は約160万となり、前年同期の約68万から大幅に増加。他社と比べても圧倒的な数値となった。この主要因は、iPhoneの販売が引き続き好調だったこととしている。5月のiPadの発売、6月のiPhone 4の発売と、ライフスタイルに影響を与える端末を続々と投入し、これが好調な業績につながっている。ソフトバンクは、スマートフォンの新規販売台数に占めるiPhoneの割合が2010年度上半期に80%に達する調査数値や、iPhoneユーザーに占める女性比率の向上、法人累計契約数の急増などを挙げ、スマートフォンの時代を切り開いていることをアピールする。

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各社ともにデータARPUが増加

第2四半期のARPUは、これも決算の好不調と同様の傾向の数字が出た。

▼第2四半期のARPU推移
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総合ARPUは、好調なソフトバンクが前年同期比150円増加の4300円に対して、NTTドコモは同220円減少の5200円、KDDIは同500円減少の5100円となった。絶対額ではまだソフトバンクと他の2社の間の差は大きいが、差は明らかに詰まってきている。音声ARPUは各社とも減少している。ただし、ここでも減少幅は各社各様で、最も減少が小さいソフトバンクが150円、逆に最も減少幅が大きいKDDIは540円と差が付いた。

一方で、データARPUは各社とも増加に転じている。NTTドコモは前年同期比90円増加の2540円、KDDIは同40円増加の2310円、ここにソフトバンクが同300円の増加で2290円と肉薄してきている。ソフトバンクでは、データ通信の利用が多いiPhoneユーザーが増加したこと、データ通信の少なかった2Gサービスが終了したことなどを増加の理由に挙げている。

解約率は、NTTドコモが0.49%で0.3ポイント増、KDDIが0.72%で0.1ポイント増、ソフトバンクが0.96%で0.28ポイント減となった。ソフトバンクは解約率を下げる傾向にあるが、それでも他の2社にはまだまだ及ばない。加入者を急増させながらも最も多く抜けていく傾向は相変わらずと言える。

【発表資料】
NTTドコモ--説明会資料
KDDI--IRライブラリ
ソフトバンク--株主・投資家向け情報

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