[先週の動き]LTEの「Xi」開始や低価格スマートフォンの発売、新しい電子書籍サービスもスタート
2010.12.27
Updated by WirelessWire News編集部 on December 27, 2010, 10:00 am JST
2010.12.27
Updated by WirelessWire News編集部 on December 27, 2010, 10:00 am JST
2010年最後の「先週の動き」。しかし、パワフルに動きまわるワイヤレス業界にはクリスマスも年末も関係なかったようだ。まずは先週スタートした新サービスや登場したばかりの新製品からチェックしていこう。
2010年12月24日、クリスマスイブ。この日は、1999年2月22日のiモード開始や2001年10月1日のFOMA本サービス開始と並んで、NTTドコモにとって記念の日となるのだろう。国内で初のLTEサービス「Xi」(クロッシィ)が始まったのだ。最大37.5M〜75Mbpsとこれまでの携帯電話とはケタ違いな高速サービスを提供する。対応端末の「L02C」も同時に発売した(関連記事:NTTドコモ、LTEサービスの「Xi」対応端末を12月24日に予定通り発売へ)。スマートフォンの増加などでトラフィックが急増する現在、高速で電波使用効率の高い方式によるデータ通信サービスの普及は急務となっている。Xi(クロッシィ)から、iモードやFOMAのようにカッコ付けの名称が取れる日がいつ来るのだろうか。
同じくクリスマスイブに、日本通信はAndroid搭載の小型軽量スマートフォン「IDEOS」を発売した(関連記事:日本通信、モバイルIP電話で通話できるスマートフォンを発売)。IDEOSは、ファーウェイ製のスマートフォン。OSにはAndroid 2.2.1を採用し、通話やWeb、メール、アプリの利用のほか、テザリング機能によりモバイルWi-Fiルーターとしての利用も可能。端末は日本通信の直販Webサイトの価格で、2万6800円と手ごろな設定となっている。2011年1月中旬からはモバイルIP電話サービスも利用できるようになる。携帯電話網を利用した050番号を割り振るもので、同社によると世界初のサービスになるという。おサイフケータイやワンセグを搭載したフルスペックのスマートフォンの需要が大きい一方で、手ごろな価格や料金で使えるスマートフォンにも需要はある。テザリングもできることから、モバイルWi-Fiルーターとしても使える新ジャンルのスマートフォンは、2011年の注目株と言えそうだ。
KDDIは、電子書籍配信サービス「LISMO Book Store」をクリスマス当日の12月25日に始めた。関西・沖縄地域で、電子ブックリーダー「biblio Leaf SP02」を販売する(関連記事:KDDIが電子書籍配信サービスと電子ブックリーダーを提供開始 通信料は月額525円から)。biblio Leaf SP02は、画面が6インチのモノクロ16階調電子ペーパーで、本体はほぼB6サイズ。1回の充電で1万3000ページ(単行本約50冊分)の読書が可能だ。3000冊相当のデータを本体に保存できる。通信機能は3Gと無線LAN(IEEE802.11 b/g/n)に対応しており、単体でLISMO Book Storeに接続して電子書籍の購入が可能。通信料金には専用料金プラン「biblio Leafプラン」を用意し、通信コストは月額525円から利用できる。
===
ソフトバンクがさまざまな手を打っている。まずは「Fan デコ」。標準ではデコレーションメールに対応していなかったiPhoneに向けたデコレーションメール対応のアプリだ。アプリの利用は無料。文字の色を変えたり、1200種類を超える絵文字などの素材を利用して電子メールを飾ることができる。人気の白戸家のお父さん(犬)のキャラクターなどもプリインストールしてある(関連記事:iPhoneで使えるデコメ用アプリ、「Fan デコ」が登場)。
ソフトバンクグループのソフトバンクギフトと、バリューデザインは共同で、携帯電話をギフトカードとして使える「モバイルギフトカード」の導入支援を提供する(関連記事:携帯電話を利用したクラウド型のギフトカード「モバイルギフトカード」)。モバイルギフトカードは、携帯電話のディスプレイに金額情報(バリュー情報)をバーコードとして表示することで、携帯電話を読み取り端末にかざすだけで決済が可能になる。FeliCa利用のおサイフケータイと異なり、インターネット接続が可能な携帯電話ならば事業者や機種を問わずに利用できる。
またソフトバンク関連の話題といえ、ソフトバンク、Wireless City Planning(WCP)は、ウィルコムの会社更生計画に定めた会社分割や株式譲渡などを同日に完了したと発表した(関連記事:ソフトバンクグループによるウィルコムの株式取得などが完了)。すでに12月1日以降、ソフトバンクグループの4番目の通信会社としての企業活動が展開されていたウィルコムは、これで更生計画にかかる一連の手続きが終了したことになる。
===
このほかに、先週の主なニュースを確認しておこう。
KDDIは、au携帯電話に接続して使う無線LANテザリング用の端末「NEX-fi」を12月23日から順次発売した(関連記事:au携帯電話につないで無線LANテザリング、KDDIが端末を発売へ)。au携帯電話の共通接続端子である18芯コネクターに装着することで、周囲に無線LANを使ってインターネット接続できる環境を提供する。NEX-fiはイデアクロス製の製品。一般の携帯電話を使ってモバイルWi-Fiルーター機能を実現する。対応する無線LAN規格はIEEE802.11b/gで、子機を最大7台まで同時接続できる。バッテリーを内蔵し、連続通信時間は約2時間となる。
NTTドコモは、アフターサービスの「電池パック安心サポート」の提供内容を2011年7月1日に変更する(関連記事:スマートフォン普及で公平感維持へ、「電池パック安心サポート」の内容を変更)。新メニューでは、スマートフォン向けのポータブル充電器「FOMA 補助充電アダプタ 02」をラインアップに加える。また、これまで提供してきた一般携帯電話向けの電池パックに比べると、FOMA 補助充電アダプタやスマートフォンの電池パックは高額であるため、公平なサービス提供の視点から提供条件を変更し、FOMA 補助充電アダプタなどを得るには高いポイントが必要になる。
チャットボイスは、同社のNTTひかり電話対応FMCアダプタ「交換職」(こうかんしょく)に、FAX自動検出機能を追加した(関連記事:チャットボイス、ひかり電話用FMCアダプタにFAX自動検出機能を追加)。着信した電話のうち、音声通話は携帯電話に転送し、FAXは事業所内のFAX兼電話機で受信する使い分けが可能になる。通信事業者各社が提供するボイスワープなどの「着信転送サービス」では、FAXと音声通話で着信動作を変えるような機能はなかった。
市場調査会社のジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は、「2010年度 企業のIT投資動向調査」の結果を発表した。2010年度のIT投資額が「減少する」と答えた企業は前年度調査から10ポイント減少し、IT投資が回復基調にあることがわかった。また、スマートフォンの導入状況では、約1割の企業が導入済みとの結果を得た(関連記事:スマートフォン導入企業は1割、関心がある企業は4割に--GfK調査)。
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら