HTCは2月15日に行われたMWC2011のキーノートセッションにおいて、自社のスマートフォン事業への考え方について述べた。
HTCは、マイクロソフトが「Windows Mobile」を開発した当初からパートナーとしてスマートフォン製造に注力してきた機器メーカーであるが、数多くの携帯電話メーカーが続々とスマートフォンを市場投入してくる中、その存在感の維持が課題となっている。
同社CEOのPeter Chou氏は、昨今のアプリケーション市場について「アプリはスタンドアロンのユーザー体験」であり、「我々は一体的なユーザー体験を提供する」ことに注力するとの考えを示した。
具体的には、自社開発のユーザーインターフェース「HTC Sense」を活用し、これをタブレット端末にも展開するとした。
また、Facebookボタン(ハードキー)を搭載したスマートフォン2機種を市場投入するとした。このボタンにより、例えば写真を撮影してからワンボタンで共有するなどが可能になるという。
なお、マイクロソフトがノキアと提携したことについてパネルディスカッションの中でコメントを求められたが、マイクロソフトとは長く密接な関係であることを強調し、この提携でウィンドウズフォンのエコシステムがより強化されることから、同社にとってはポジティブである、とのスタンスを明らかにした。
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登録はこちら情報通信総合研究所上席主任研究員。1990年一橋大学卒業、NTT入社。1997年より現職。海外・国内のモバイル通信業界に関して、サービス動向から企業戦略まで広く調査研究を行っている。「通信事業者はどこへ行く」(「情報通信アウトルック2011」共著)「アプリケーション・ストア・ブームの衝撃」(「情報通信アウトルック2010」共著)「LTEの提供エリアはスムーズに広がるのか-世界におけるLTE普及への展望」(日経コミュニケーション2009年7月15日号)など、記事執筆・講演多数。