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【企業名】Funambol, Inc.
【所在地】アメリカ カリフォルニア州(643 Bair Island Road, Suite 305, Redwood City, CA, 94063)
【URL】http://www.funambol.com/

Funambolはクロスプラットフォームのモバイル向けオープンソース・プロジェクトで、開発者は公称5万人、ダウンロードは300万回以上。2001年に法人化されていて、上記のオープンソースの他にもモバイル・オペレータ、サービス提供事業者向けにプッシュメールやモバイル・クラウド・シンクを実現できる"MobileWe"をソリューション製品として提供している。

MobileWeでプッシュ・メールやクラウド・シンクの対象となるモバイル機器は、Android、BlackBerry、iPhone、Windows Mobile、Symbianなど多岐に渡る。データの同期はSyncML(XMLをベースにしたデータ同期の規格)に準拠している。

クラウド・シンクとは、写真や住所録、文書、カレンダー情報などモバイル機器の情報をクラウド上のストレージに自動で保管し、パソコンなど他のデバイスから扱うことができるようにするというもので、DropboxやSugarsync、ZumoDriveなどが人気を集めている領域。

Appleには後述のMobileMe、マイクロソフトにはMy Phone、NokiaにはOvi、BlackBerryにはInternet Serviceと、モバイル機器には簡単な同期ツールが必ずあるが、利用は無料とは限らない。Funambol社は、プログラム自体はオープンソースで提供し、導入やトレーニング、メンテナンスなどを有償で行っている。

例えばiPhoneで同様の機能を提供しているMobileMeは60日間の無料トライアルが可能だが、その後は年間9,800円の料金がかかる。FunambolはMobileMeが提供する機能の多くを無料で提供している。Funambolの本社はカリフォルニア州Redwood Cityで社員は85名。その半数くらいはイタリアに住んでいるようだ。

顧客リストにはAOL、Telefonica、ブリティッシュ・テレコム(BT)、Clearwire、Sprint、Vodacomなどのキャリアやプロバイダーのほか、NEC、サムスン電子、HP、Alcatel-Lucentなどのベンダーの名前も並んでいる。

データを同期させたいというニーズは共通でも、モバイル機器は千差万別という状況の下で、Funambolのオープン戦略は世界中に動作確認をするエンジニアを抱えているのと同じ状況を作っている。過去の記事などを見ると、同社はデータ同期よりもむしろプッシュのメッセージングの広告価値に期待を寄せているようだ。

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