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ATR、人間同士のコミュニケーションを深める"アンドロイド"のプロトタイプを開発

2011.03.04

Updated by WirelessWire News編集部 on March 4, 2011, 10:20 am UTC

▼エルフォイドを手に説明するATRの石黒客員室長
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国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は2011年3月3日、携帯型遠隔操作アンドロイド「エルフォイド」の開発を発表した。ネットワークを介した人間同士のコミュニケーションに、相手の存在を感じられる対話の機能を提供する研究の一環である。今回は、人間の形を模した"アンドロイド"に携帯電話の通話機能を組み込んだプロトタイプを開発した。

開発に携わっているATRの石黒浩客員室長は、「スマートフォンが普及して携帯電話は進化しているように見えるが、対話の機能はまったく進化していない。人の存在を手のひらに感じられるメディアとして、アンドロイドを開発した」と経緯を説明する。石黒客員室長はこれまでに遠隔操作アンドロイドとして、人間と同じ形をした「ジェミノイド」や、見かけや動きをミニマルにした「テレノイド」を開発してきた。今回のエルフォイドは、テレノイドを小型化して携帯できる高さ20cmほどのサイズにし、遠隔通話の機能を組み込んだ。

デザインとしては、男性・女性、老人・子どものいずれにも見えるような「人間」の形を取り入れた。人間の肌を思い起こさせるような柔らかい素材(ウレタンゲル)で触感にもこだわる。中にはクアルコムの携帯電話用チップセットを組み込み、遠隔通話機能を備える。こうすることで、対話をする人にとってエルフォイドがあたかも相手の存在を感じるメディアになるという。今回は、5年計画のプロジェクトの1年目に当たり、最初のプロトタイプとして携帯電話の通話機能と大音量のハンズフリー機能を搭載した。

現時点のプロトタイプではエルフォイド同士の通話が実現出来ていない。今後、エルフォイド同士の通話に加え、話者の表情や動きを認識して相手のエルフォイドを動かすような機能を盛り込み、研究を進めていくという。こうした研究を通じて、インタフェースの基本問題として人間がアンドロイドなどに"人"を感じるための要因を明らかにする。

発表会の席上で挨拶に立ったクアルコムジャパン 代表取締役会長兼社長の山田純氏は、「現代のケータイはサイバーワールドにつながるためのツールとなっている。人間と人間のコミュニケーションという側面が希薄になっているようだ。こうした中で、エルフォイドによって人間のエモーションを伝え合う研究が進むことは意義がある。クアルコムも小型軽量の通信モジュールを提供し、新しいコミュニケーションの形の日本からグローバルへの発信に協力していく」と語った。

▼デモでは、エルフォイドで対話することで相手の存在を感じることを示していた
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【報道発表資料】
携帯型遠隔操作アンドロイド「エルフォイド」発表会(発表会案内)

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