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中東、アジア市場で成長するホワイトレーベルのモバイルSNS「MOZAT」

2011.04.12

Updated by Kazutaka Shimura on April 12, 2011, 18:30 pm JST

MOZAT
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フェイスブック(Facebook)の会員は全世界で約6億人、またフェイスブックにゲームを提供するジンガ(Zynga)の会員は2億人と言われる。こうした会員数を集められるのは、彼らがグローバル市場に進出しているからだ。SNSはパソコン、インターネットのサービスだったが、スマートフォンの登場で、グローバルなプラットフォームとしてのSNSがモバイル市場にも拡大する。

国境を越えて会員数を増やすプラットフォームは、国内市場で強みを発揮してきた通信キャリアにとって、成長が見込まれるスマートフォンなどで展開すべきコンテンツビジネスの収益を奪われる競合となっている。そこで、彼らも対抗策のひとつとして、自前のSNSサービスを立ち上げ、既存のユーザーを囲い込む必要がある。

しかし、通信キャリアにとって、ビジネスマインドの違うSNSビジネスを立ち上げ、運営するリソースをすぐに投入できるかどうかは大きなリスクとなる。そこで、通信キャリアに対しSNSの仕組みを提供することがひとつのビジネスチャンスとなる。

2006年にシンガポールで創業した「MOZAT」は、通信キャリアに、ホワイトレーベル(OEM提供)のSNSプラットフォームを提供するベンチャー企業だ。現在は、エジプト、ヨルダン、サウジアラビアなどアジア、中東市場を中心に8社の通信キャリアに採用され、1500万人もの登録ユーザーがいる。彼らは、通信キャリアに対し、リソースと時間を掛けずにSNSサービスを立ち上げる利便性を提供し、ここ2年で急成長した。

そのMOZATのマーケティング担当、Marie Mijaro氏にMOZATの現状と今後の展開について話を聞いた。

Q:MOZATは、2009年に次々とアジアの通信キャリアに採用されたことがきっかけで成長した。なにかきっかけがあるのか?

A:あらゆる端末で利用可能なプラットフォームを、通信キャリアのアーキテクチャに沿って作ったのが評価されたのだと思う。通信キャリアにとって、信頼性のあるSNSプラットフォームということが実際に利用されていくうちに理解されてきた。また、ユーザーフレンドリーなインタフェースを作ることにフォーカスしたことも評価されたことのひとつだ。

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Q:アプリデベロッパに対するMAZATOの特徴は?

A:多様化する端末、OSにワンソースで対応できるSDKを提供している。HTMLかJavaの知識があれば、iPhone、アンドロイド、ブラックベリーなどのスマートフォンやノキアなど500種類以上の端末へアプリ提供が可能になるSDKだ。エミュレーター、リアルタイムでのソース変換と確認など、開発現場で必要とされる機能を追加し続けている。

Q:フェイスブックは競合なのか?

A:競合ではない。フェイスブックと連携するログイン機能なども設けている。元々、通信キャリアは、加入者向けのコミュニティを自前で運営している。我々の役目は、その元々存在したコミュニティのサービスをさらに深化させることである。そのためのツールとして、画像共有や投票システム、ソーシャルゲーム、グループ作成などがあり、それぞれがローカル市場向けにカスタマイズして提供している。モバイルSNSは、フェイスブックよりも、よりローカライズする仕組みが必要であり、パソコンで利用するのとは違うSNSの新しい姿だと思う。

Q:中東市場とアジア市場では、なにか違う点があるか?

A:人々の好み、規制、歴史などは中東とアジアでそれほど差はない。我々が、中東とアジア双方でビジネス展開できているのは、MOZATを可能な限りローカライズしているからだ。通信キャリアと密接に連携することにより、エリアごとの歴史、慣習などを尊重しカスタマイズして提供しているのが我々の強みだ。

Q:今後の展開について

A:我々は、モバイルソーシャルというコンセプトにフォーカスしている。あらゆるケータイ端末のコミュニケーションをマネタイズする仕組みをこれからも作っていきたい。

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志村 一隆(しむら・かずたか)

情報通信総合研究所主任研究員。1991年早稲田大学卒業、WOWOW入社。2001年ケータイWOWOW設立、代表取締役就任。2007年より情報通信総合研究所で、メディア、インターネットの海外動向の研究に従事。2000年エモリー大学でMBA、2005年高知工科大学で博士号を取得。文系・理系に通じ、さらには国内外のメディア事情、コンテンツ産業に精通。著書に『ネットテレビの衝撃―20XX年のテレビビジネス』(東洋経済新報社)『明日のテレビ チャンネルが消える日』(朝日新書)がある。