VISAがNFCを使ったモバイル決済サービスの提供を発表したり、Googleがいよいよモバイル決済プラットフォームのお披露目を報じられるなど、このところ海外でもNFCをめぐる動きが慌ただしい。ワイヤレスジャパン2011では、トッパン・フォームズがNFCソリューションを大々的にアピールしていた。
▼NFCソリューション展示で埋め尽くされたトッパン・フォームズのブース
展示されていたのは、日本の交通系カードやEdy、WAONなどでおなじみのFelicaと、taspoや欧米の交通系カードで普及しているMIFAREに対応したUSBスティック型NFCリーダ・ライタ、またそれに加えて物流・製造で使用されるICタグのISO15693、住民基本台帳カードなど公共系カードで使われているISO/ISC14443 Type Bにも対応した平置き型のリーダ・ライタを利用した多数のソリューションである。その一部を紹介しよう。
▼日本HPとの協業による、クラウド型決済プラットフォーム。商品に取り付けられたICタグと電子マネーを同じリーダ・ライタで読み取ることができる。電子マネー決済処理は日本HPが開発したミドルウェア「ICAS」を活用してクラウド上で行う。
▼NFCリーダ・ライタに血圧計、体重計などを接続し、個人別の健康データをサーバー上に保存できるPHR(Personal Health Reacording)連携システム。血圧計にNFCリーダ/ライタがついている。東日本大震災の避難所では、被災者の方にICカードを渡し、定期的に血圧を測定して記録することで、危険な状況の人を早めに病院に搬送して処置をするなど、避難所の健康状態の改善につながっている。
▼Androidプラットフォーム対応のNFC SDK For Felica & MIFARE も展示されていた。
また、IIJではAndroid上で動くTegra 2とUSB型NFCリーダ・ライタを使用して、交通系電子マネーの使用履歴や、家庭内エネルギーマネジメントなどのアプリケーションを参考出展していた。
▼IIJが展示していたTegra2とWiiを組み合わせたソリューション。NFCカードによって個人を認証し、対応した情報を表示する。
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登録はこちらWirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。