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ライトスクェアード、スプリントとの提携を正式発表 - 15年契約、総額は135億ドルに

2011.07.29

Updated by WirelessWire News編集部 on July 29, 2011, 12:32 pm JST

以前から可能性が取り沙汰されていた米スプリント・ネクステル(Sprint Nextel:以下、スプリント)とライトスクェアード(LightSquared)との提携が、米国時間28日に正式に発表された。ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)とAT&Tの2強を相手に苦戦を強いられるスプリントと、全米をカバーするLTE網の構築に多額の資金を必要とするライトスクェアードの思惑が一致した形となった。

今回明らかにされた契約の内容には、両社がそれぞれ構築を計画するLTE網の相互利用に関するものに加え、スプリントからライトスクェアードへの3Gローミングサービスの提供なども含まれている。契約期間は15年間で、ライトスクェアードはスプリントに対し11年間に90億ドルを支払うほか、45億ドルの与信(クレジット)も提供する。スプリントはこの与信を使って、ライトスクェアードからLTE網の通信キャパシティを購入することになるという。

ライトスクェアードは、この契約成立を受けて、2012年年後半にはLTEサービスの提供を開始できる見通しであると述べている。いっぽう、スプリントは自社の4Gサービスに関する詳細を10月に開催予定の投資家向けイベントで明らかにするとコメントしている。

ライトスクェアードの大株主であるヘッジファンドのハービンガー・キャピタル(Harbinger Capital Partners)では、運用実績の悪化と資金の減少が続くなかで、運用資金の大半をライトスクェアードの事業に注ぎ込んでいる。だが、ライトスクェアードの計画の実現には140億ドル以上ともいわれる巨額の資金が必要といわれ、さらにこのネットワークの一部となる衛星通信の部分に関してGPS波との干渉が問題化するなど、同社は厳しい状況に置かれている。また同社には米連邦通信委員会(FCC)から、2012年末までに1億人をカバーするというネットワークの展開目標の達成が義務付けられている。

いっぽう、同日の第2四半期決算発表で、8億4700万ドルの赤字(売上は83億ドル)を発表したスプリントは、米携帯通信市場首位のベライゾンならびにT-モバイルの買収を計画するAT&Tの大手2社から大きく水を開けられており、とくに長期契約となるポストペイドユーザーの減少が続くなど、こちらも厳しい状況に置かれている。また、いわゆる4Gサービスについても、出資先のクリアワイア(Clearwire)が運営するWiMAX網をつかっていち早く提供を開始していたが、いままでのところ十分なリードが奪えずにきており、大手2社がLTE網の展開に乗り出すなかで、スプリントでも4Gの主体をLTEに切り替える判断を下していた。同社では昨年後半に、最大で50億ドルの資金を投入して自社ネットワークのアップグレードを実施するとの計画を打ち出していたが、ただしこのための資金捻出方法などはいまだに明らかにされていないという。

【参照情報】
LightSquared to buy 4G from Sprint for billions - GigaOM
Sprint Shares Fall as Company Inks Deal With LightSquared, Loss Widens - AllThingsD
Falcone's LightSquared, Sprint Agree to 15-Year Network Expansion Accord - Bloomberg
Sprint Posts Wider Loss, Reaches Network Deal With LightSquared - WSJ.com
ライトスクェアード、スプリントと共同でLTE網展開へ - ひとまず危機を回避(Bloomberg報道)
スプリント、ライトスクェアードと提携へ - ネットワーク相互利用など最大200億ドルの契約か
ライトスクェアード、スプリントのネットワークに相乗りの可能性 - NSNへの発注は取りやめか

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