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クリアワイヤ、LTE-Advanced対応のネットワーク展開へ - WiMAXからの移行コストは推定6億ドル

2011.08.04

Updated by WirelessWire News編集部 on August 4, 2011, 13:25 pm JST

米国で高速無線通信網を運営するクリアワイヤ(Clearwire)が米国時間3日に行った決算発表のなかで、LTE Advancedに対応するネットワークの展開を進めていく考えを明らかにした。

クリアワイアは、大株主であるスプリント・ネクステル(Sprint Nextel:以下、スプリント)と協力しながら、米市場で競合他社に先駈けてWiMAX方式の高速ネットワークを展開してきた。しかし、同社のサービス普及が思惑通り進まず、また4G網にLTEを採用する流れが世界的に進むなかで、ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)やAT&Tといった大手各社がLTE網の展開計画を打ち出したことから、クリアワイアでも1年前にLTE網への移行を視野に入れ、そのための実験実施を発表していた。

クリアワイアはその後2.5GHz帯を使った実験を進めてきたが、この実験では最大120 Mbps(下り)と、同社が現在提供しているWiMAX接続サービスの約20倍にあたる高速な通信速度が得られたという。この結果を踏まえ、同社では既存の携帯通信インフラを利用しながらLTE-Advanced対応の新たなネットワークを展開する計画で、まずは人口密度の高い都市部からサービスの提供を進めていきたい考えを示している。

同社ではLTE網への移行費用として6億ドル程度を見積もっているが、現時点では資金調達の目処がついていないことから、LTE網展開に関する具体的な目標時期等は明らかにしていない。

クリアワイアはこの日の発表のなかで、同社がLTE網に利用する2.5GHz帯の優位性に触れ、この周波数帯での4G網の展開が世界的に進められていることから、コストの点で大きなアドバンテージが得られる可能性があるとし、また2.5GHz帯ではGPSなどへの干渉もないと述べ、先ごろ4G網の構築・運営でスプリントとの提携を発表したライトスクェアード(LightSquared)の動きを牽制したという。

なお、クリアワイアが発表した第2四半期決算は、売上が前年同期比で2倍以上となる3憶2260万ドルに増えたものの、赤字幅も1年前の1憶2590万ドルから1憶6870万ドルに拡大している。

【参照情報】
Clearwire in shift from WiMax technology - FT.com
Clearwire planning LTE-Advanced with 120 Mbps trials - GigaOM
Clearwire embraces LTE as subscribers top 7.6 million and losses mount - GeekWire
WiMAX陣営の米クリアワイヤもLTEネットワークの試験実施を発表
ライトスクェアード、スプリントとの提携を正式発表 - 15年契約、総額は135億ドルに

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