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アップル対HTCの特許紛争 - 米ITC、タブレット端末についても調査へ

2011.08.10

Updated by WirelessWire News編集部 on August 10, 2011, 10:47 am JST

米国の国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission:以下、ITC)は9日、台湾HTCが製造販売するAndroidタブレット端末「HTC Flyer」について、アップル(Apple)が同社の特許侵害を訴えた5つの特許に関して、その詳細を調査する意向であることを明らかにした。

これらの特許は、HTC Flyerのソフトウェア・アーキテクチャやインターフェイス、タッチスクリーンや人感センサーに関するもので、アップルは7月にこの訴えを起こしていた。

ITCは先月、HTC製Androidスマートフォン関連で、アップルが2010年3月に起こした特許侵害の訴えについて、対象としていた10種類の特許のうち2種類の侵害を認めていた。ITCではさらに6人のメンバーで構成する委員会でこの判定について検討を加えることになっているが、同委員会での判断次第では、米国へのHTC製スマートフォンの輸入が停止される可能性もある。

またITCは先週、アップルが同じく米国での販売停止を求めているサムスン(Samsung)のスマートフォンやタブレットについても、特許侵害があるかどうかの調査を行うと発表している。

またドイツでは9日に、同じくアップルが特許侵害で販売差し止めを求めていたサムスン製Androidタブレット「Galaxy Tab 10.1」に関し、デュッセルドルフの地方裁判所がこの主張を認め、欧州各国の市場(蘭を除く)で同タブレットの販売停止を求める仮差し止め命令を下していた。

アップルによるこれらの訴えについて、一部には、同社が実際に当該製品の輸入停止を求めているというよりも、むしろHTCやサムスンに対して特許のライセンス提供を狙っているのではないかとの見方もある。

いっぽう、HTCはアップルの主張を全面的に否定しており、アップルを相手取った訴訟で勝訴しているS3グラフィクス(S3 Graphics)や多くの特許ライセンスを持つダッシュワイヤー(Dashwire)を買収するなどで対抗している。

HTCは3月に、アップルの「iPad」やサムスン「Galaxy Tab」に対抗するため、7インチ画面搭載の「Flyer」を米国市場でリリースしていた。

【参照情報】
Apple Complaint Against HTC Over Flyer Tablet PC to Get U.S. Trade Review - Bloomberg
Trade agency to eye Apple complaint against HTC - Reuters
ITC to probe second Apple patent infringement complaint against HTC - TNW
HTC、クラウドサービスの米ダッシュワイヤーを1850万ドルで買収 - アップルへの対抗手段か
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