グーグルのモトローラ買収に関する内情や今後の影響など - 主要IT系ブログの記事から
2011.08.16
Updated by WirelessWire News編集部 on August 16, 2011, 12:30 pm JST
2011.08.16
Updated by WirelessWire News編集部 on August 16, 2011, 12:30 pm JST
グーグル(Google)が米国時間15日、モトローラ(Motorola Mobility)を約125億ドルで買収すると発表した。関係各社やアナリストに大きな衝撃を与えたこの買収発表について、複数の媒体の情報を追いながら、さまざま疑問や、これによってもたらされる可能性のある正負両方の影響を追ってみる。
まず、GigaOMでは情報筋の話として、モトローラは同社の身売りについて、マイクロソフト(Microsoft)などグーグル以外の複数の企業とも交渉の機会を持っていたとし、モトローラが保有する大量の無線通信関係特許が競合他社の手に渡ることを恐れたグーグルが結果的に買収を余儀なくされたと述べている。
同ブログによれば、グーグルとモトローラとの協議は約5週間前から始まり、グーグルのラリー・ペイジ(Larry Page)CEOとモトローラのサンジャイ・ジャー(Sanjay Jha)CEOが直接話を進めたという。また、この交渉には両社のごく一部の人間しか関与しておらず、グーグルでAndroid部門の責任者を務めるアンディ・ルービン(Andy Rubin)氏が話を知らされたのも比較的最近になってのことだったという。
さらにGigaOMは、グーグルが築いてきたAndroidのエコシステムがこの買収でリスクにさらされるとの見方を示すとともに、Androidに幻滅したハードウェアメーカー各社がマイクロソフトの「Windows Phone OS」採用に踏み切ることにつながるとの見方を採る業界関係者も多いと述べている。
いっぽう、ZDNetでは、グーグルによるモトローラ買収に関して6つの理由(動機)を推定している。その6つの動機とは:
なお、グーグルのラリー・ペイジ(Larry Page)CEOは、この買収がもたらすベネフィットについて、スマートフォン分野でのソフトウェアとハードウェアとの垂直統合を通じたより良いユーザーエクスペリエンス、マイクロソフトやアップルなどの競合他社に対する防衛手段としてのモトローラの特許の獲得、そして有線ビジネス分野でモトローラから得られるイノベーションの可能性、などを挙げている。
いっぽう、Business Insiderでは、この買収計画に対する疑問や最悪の可能性について触れて、以下5つの点を指摘している:
また、この買収のデメリットとなり得る部分については、HTCやサムスンなどAndroid OSにとっての「功労者」ともいえる各社にとって、競合するモトローラをグーグルが買収することはある種の「裏切り行為」とも捉えられかねず、それが
「オープンなプラットフォーム」を売りものとしてきたAndroid OSに悪影響をもたらす可能性があると指摘。さらに、グーグルの従業員数が2万9000人で在るのに対し、これにモトローラから1万9000人を受け入れるとなった場合、はたしてうまくマネージメントしていくことができるのかなどが課題として挙げられている。
【参照情報】
・Exclusive: Guess who else wanted to buy Motorola? - GigaOM
・Google's $12.5 billion Motorola Mobility bet: 6 reasons why it makes sense - ZDNet
・THE TRUTH ABOUT THE GOOGLE-MOTOROLA DEAL: It Could End Up Being A Disaster - Business Insider
・パンドラの箱を開けるグーグル - 「モトローラのハードウェア部門売却説」浮上の理由
・グーグル、モトローラを125億ドルで買収へ - 特許関連強化はプラス、ハードウェアベンダーとの関係は微妙に
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