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衛星テレビの米ディッシュ、LTE網の展開を計画 - 「周波数帯投機」との見方も

2011.08.24

Updated by WirelessWire News編集部 on August 24, 2011, 11:46 am JST

衛星を使った有料テレビ放送の分野で米国市場2位のディッシュ・ネットワーク(Dish Network:以下、ディッシュ)が現地時間22日、LTE-Advanced規格の携帯通信網展開に関する承認申請を米連邦通信委員会(FCC)に提出した。

ディッシュは、破産したDBSDノースアメリカ(DBSD North America)やテレスター・ネットワークス(TerreStar Networks)の資産を今年に入って取得しており、これを通じて獲得した周波数帯を携帯通信網に転用したい考えで、FCCに対してこの変更を認めるよう求めているという。

ただし、ディッシュはいまのところ、携帯通信網の全国展開ならびに過疎地域へのサービス提供の2点を公約として掲げているだけで、具体的な詳細を明らかにしていないことや、同様に衛星とLTEを組み合わせた4G網の展開を予定するライトスクェアード(LightSquared)の計画が思い通りに進んでいないこと、さらには対応する通信機器もまだ出揃っていないLTE-Advancedの採用を打ち出していることなどから、GigaOMでは「有料テレビ放送の契約者減少に悩むディッシュが、苦肉の策として、モバイルブロードバンド通信の需要拡大にともなって目立ってきている周波数帯の価格上昇の波に乗ろうとしているのでは」との見方を示している。

いっぽう、CNETでは、ディッシュの申請に目を通したというクレディ・スイス(Credit Suisse)のアナリスト、ジョナサン・チャップリン(Jonathan Chaplin)氏のコメントを紹介。同氏はディッシュの計画について「現実的な展開スケジュールを掲げている」としつつも、LTE(地上波部分)の展開に相当の負担がかかる可能性があると付け加えているという。

また、BTIGリサーチ(BTIG Research)のアナリスト、ウォルター・ピエチック(Walter Piecyk)氏は同社の計画がお粗末なもので「LTE−Advanced」という未完成のネットワークの選択も時期が悪いとし、FCCが承認を出すことはないだろうと予想しているという。

現時点で、FCCがディッシュの計画を承認するか否か、また承認する場合にどのような条件を義務付けるか等は不明。ただし、ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)とAT&Tの2社による寡占状態への流れが進むなかで、こうした流れに対する懸念の声も上がっていることから、FCCがディッシュの動きを市場競争を促進するものとして前向きに受け止めるとの見方もあるという。

【参照情報】
Dish Seeks U.S. Government Approval to Build Mobile Network - Bloomberg
Dish's wireless plan unveiled: satellite-terrestrial LTE-Advanced network - Fierce Wireless
Following LightSquared, Dish ups the ante in spectrum speculation - GigaOM
Dish unveils plans for 4G LTE network - CNET
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