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米大手携帯通信3社、モバイル決済JVに1億ドル以上の追加投資を検討

2011.08.30

Updated by WirelessWire News編集部 on August 30, 2011, 09:50 am JST

ISIS
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米大手携帯通信事業者のベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)、AT&T、T-モバイル(T-Mobile USA)の3社が、共同で立ち上げたモバイル決済ベンチャーのイシス(ISIS)に対して、1億ドルを超える追加投資を行う見込みであることが米国時間29日に明らかになった。

Bloombegが関係者の話として伝えたところによると、出資元3社の間ではまだ投資金額は固まっておらず、3社はISISの仕組みが(クレジットカードを発行する)銀行や決済システムを導入する小売店などのマーチャントからどれくらいの支持を集められるかを見極めながら、投資額を決めていくことになるという。

モバイル決済分野ではマスターカード(MasterCard)やシティグループ(Citi Group)と共同でNFC技術を利用したプロジェクトを進めるグーグル(Google)、同じくNFCを利用し、ワンクリック決済との連動やソーシャル・ネットワーク・サービス内での取引など包括的な決済方法を目指すビザ(Visa)、イーベイ(eBay)傘下のペイパル(PayPal)など、さまざまな業界のプレイヤーが活発な動きを続けている。なかでも、グーグルは「Google Wallet」というサービスを今年5月に発表、まもなく同サービスの本格展開を開始すると見られている。イシスに出資する3社には、この分野での競合激化の見通しを受け、同サービスの導入や展開をさらに早めたい考えだという。

イシスはいまのところ、来年にソルトレイクシティ(ユタ州)での試験運用を計画しているが「全米展開の計画はまだ発表する段階にない」(イシス幹部)との状況で、すでにサービスを正式発表したグーグルなどに比べると、プロジェクトの動きは遅れ気味。ただし、すでにマスターカード、ビザ(Visa)、アメリカン・エキスプレス(American Express)、ディスカバー(Discover)のクレジットカード大手4社との提携を発表しており、また通信キャリアとして自社の取り扱う端末にアプリケーションをプリインストールできるという強みもある。

なお、米調査会社のジュニパー・リサーチ(Juniper Research)が7月はじめに発表した予測によると、世界のモバイル決済の市場規模は、今年の2400億ドルから2015年には6700憶ドルまで拡大する見込みだという。

【参照情報】
AT&T-Verizon-T Mobile Sets $100 Million for Google Fight: Tech - Businessweek
Mobile providers infuse $100 million into Isis payment platform - ZDNet
Carriers set to chip in $100M in Isis to take on Google - GigaOM
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