アマゾンのタブレット端末、「3ヶ月で500万台販売の可能性」(米フォレスター予測)
2011.08.30
Updated by WirelessWire News編集部 on August 30, 2011, 13:12 pm JST
2011.08.30
Updated by WirelessWire News編集部 on August 30, 2011, 13:12 pm JST
アマゾン(Amazon)が今年中の投入に向けて準備を進めているとされる独自ブランドのタブレット端末について、米市場調査会社のフォレスターリサーチ(Forrester Research:以下、フォレスター)が「機能と値段によっては3ヶ月で最大500万台を販売できる可能性がある」とするレポートを発表している。
今年に入ってAndroid陣営の端末メーカー各社や、リサーチ・イン・モーション(RIM)、ヒューレット・パッカード(HP)などがそれぞれタブレット端末を投入し、この分野で先行するアップル(Apple)「iPad」の追撃を狙っているものの、戦略的な値付けで出されたiPadに比べて相対的な価格の高さが目立つことなどから、いまなお苦戦が続いている。そうしたなかで、まだ可能性に過ぎないアマゾンのタブレットを「iPad対抗馬の本命」とする見方は以前から何度か出ていたが、今回のレポートでは具体的な想定価格や予想台数などが挙げられている点が目新しい。
フォレスターでは、端末自体は赤字で販売しても付随するコンテンツやサービスの販売で利益を出せるアマゾンのビジネスモデルの強みや、同社のもつブランド力、コンテンツの品揃え、クラウド関連のインフラ、決済関連等の資産などに触れながら、「同社がタブレット端末を300ドル未満で発売し、需要に応えられるだけの十分な供給量を確保できた場合、今年第4四半期だけで300万〜500万台を販売できる可能性がある」と述べている。
さらに、この製品が予想通りの大ヒット作になった場合の影響として、「ハードウェアの販売から売上の大部分を得ているアップルが、赤字覚悟で端末を配布できるアマゾンの成功を受けて、臨戦態勢を採ることになる」「他のAndroidタブレット・メーカーが、アマゾンのソフトウェアやサービスを自社製品に組み込んで提供するようになる」「Androidタブレット向けにアプリを開発するサードパーティ開発者が急増する」ことなどを挙げている。ちなみに、いまのところタブレット用に最適化したアプリの数(種類)は、iPad用が約10万種に対し、Android向けは300種類以下で、アプリ開発者の大半は様子見状態にあると、フォレスターでは述べている。
なお、GigaOMによればバーンズ・アンド・ノーブル(Barnes & Noble)が249ドルで販売しているタブレット「Nook Color」は、2010年第4四半期だけで約100万台販売されたという。また先日には、HPがWebOS関連のハードウェア開発中止を発表したことを受け、一部の小売店舗などで7月に発売されたばかりの「TouchPad」が99ドルで在庫処分され、注文が殺到するという出来事もあり、ある程度の機能を持つタブレット製品がいまより低価格で出されれば、多くの消費者が反応することが奇しくも証明されたといわれていた。
【参照情報】
・Amazon Will Be Tablet Product Strategists' New Frenemy - Forrester Research
・Amazon may sell 3-5 million tablets in Q4: Forrester - Reuters
・Amazon Could Sell Five Million Tablets in Three Months - AllThingsD
・The many ways Amazon could price a successful tablet - GigaOM
・【図・グラフ】iPad対抗馬の本命は、アマゾンのAndroidタブレット(米調査)
・アマゾン、今年秋にAndroidタブレット発売か - コンテンツ流通をめぐりアップルとの競争激化の可能性(WSJ報道)
・タブレット市場、iPadに続く各社の製品は... - 今年の販売台数予測 [編集担当メモ]
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