グーグル、レストランガイドを手がけるザガットを買収 - 新たな方向性にまた一歩
2011.09.09
Updated by WirelessWire News編集部 on September 9, 2011, 12:57 pm JST
2011.09.09
Updated by WirelessWire News編集部 on September 9, 2011, 12:57 pm JST
グーグル(Google)は米国時間8日、同社の公式ブログで、レストランガイドの出版およびレビューサイトの運営を手掛けるザガット(Zagat)を買収したと発表した。
ザガットは、消費者へのアンケートを元にレストランなどの評価・格付けを行う情報サービス提供者(出版社)で、同社が発行するガイドブックは、1970年代の創刊以来、米国の消費者の信頼を集めてきた。買収を伝えるブログ記事のなかで、グーグル幹部のマリッサ・メイヤー(Marissa Mayer)氏は、同社を「コンシューマ-・ジェネレイテッド・メディア(CGM)の先駆け」と評している。しかし近年では、オンライン上のレビューサイト「Yelp」などの人気の盛り上がりを受け、ザガットの相対的な地位は低下傾向にあったとされている。
いっぽう、グーグルは「Google Place」および「Google Map」を通じ、小売店やレストランなどを検索するサービスを提供している。同社はこれまで、他の口コミサイトに投稿されたレビューを「Google Place」上に表示させていたが、「Yelp」などの異議申し立てを受け、外部サイトから取得した情報の掲載を取りやめていた。今回の買収を通じて、グーグルは世界の100以上の都市でレストランや各種サービスについてレビューコンテンツを提供できることになるという。
この買収の話題を採り上げたGigaOMでは、モバイル端末やソーシャルメディアの利用が進む流れのなかで、「Google Place」や「Google Map」といったサービスを提供するグーグルには、ザガットは相性の良いサービスと指摘。また、これまでアルゴリズム重視で事業を展開してきたグーグルが、口コミをはじめとする人間の力=ソーシャル要素を取り入れることにした点が重要と報じている。いっぽう、ZDNetでは、他者が生成したコンテンツの整理に特化してきたグーグルが、自らコンテンツの所有に乗り出した点に注目している。
グーグルは、「Google Place」や「Google Map」に加え、クーポンの「Google Offers」やSNSの「Google +」など、レストランや口コミやと親和性の高いサービスを複数提供している。今後はザガットがもつコンテンツやネットワークとこれらのサービスとの連携を期待する声も一部で上がっている。
【参照情報】
・Google just got ZAGAT Rated! - Google
・Google buys Zagat to add people power to its algorithms - GigaOM
・Google acquires Zagat, enters original content business - ZDNet
・Google Buys Zagat to Bolster Local Services - Bloomberg
・【図・グラフ】スマートフォンアプリの利用拡大でモバイル広告の在庫も急増(米調査)
・いよいよ正式発表へ - グーグル、モバイル決済プラットフォームを26日にお披露目
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