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ケニアにバーチャル・ショッピング・カード

2011.09.20

Updated by Kenji Nobukuni on September 20, 2011, 18:00 pm JST

airtel money
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世界初と銘打って、ケニアのエアーテル・アフリカ(正確にはインドのBharti Airtelのアフリカでのオペレーション)が、マスターカード社、スタンダードチャータード銀行と提携して、携帯電話機を使ったバーチャル・カードのサービスを開始した。

サービス名称は、PayOnline。既にエアーテル・アフリカが提供している電子送金サービスのエアーテル・マネー(airtel money)利用者であれば、クレジットカードやデビッドカードを持たなくても、マスターカードが使えるオンラインショップでの買い物が可能になる。

エアーテル・マネーのモバイル・ウォレット(mobile wallet)で16桁の「カード番号」が払い出され、この番号で決済するのだが、有効期間は24時間。ワンタイム・パスワードならぬワンタイム・カード番号を使うことで、利用者側をある程度、保護することになる。1回当たりの利用限度額は35,000ケニア・シリング(1Ksh=0.81円換算だと約28,350円)、一日あたりでは70,000ケニア・シリング(約56,700円)に制限されているが、利用実態を見て拡大する予定とのこと。手数料は、買い物金額に応じてではなく、1つのカード番号払い出しについて固定の50ケニア・シリング(約40円)。ケニアを皮切りに他のアフリカ市場へも展開する予定のようだ。

2011年2月にはライバルのサファリコム(Safaricom)がVISAカード、I&M銀行と組んで、モバイル・マネー「M-PESA」の提供を開始している。こちらは物理的なカードを発行しており、リアルの店舗で買い物をしたり、VISAが利用可能なATMで現金を引き出すこともできる。銀行口座を持つ人が少ないアフリカでは、こうした携帯電話を使った個人向け金融サービスが消費経済を活性化するものとして期待されているらしい。

【参照情報】
Standard Chartered, Airtel Africa, MasterCard launch world's first virtual shopping card on a mobile phone<プレスリリース>
Bharti Airtel launches online payment system in Africa
Kenya gets world's first virtual payment card
News Analysis: Airtel Money Launches Virtual Card
[動画]ケニアの「M-Pesa」 - モバイルバンキングが変える社会の例

英ボーダフォンとケニアのサファリコムのジョイントベンチャー「M-Pesa」に関する記事はこちら

銀行インフラが未整備だったため短期間でケニアに定着し、ユーザー数は1300万人超、2010年3月には約3億5100万ドルの決済に使われた。

[動画]ケニアの「M-Pesa」 - モバイルバンキングが変える社会の例

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来