米携帯通信市場第3位のスプリント・ネクステル（Sprint Nextel：以下、スプリント）が、来年前半をメドにLTEネットワークを使ったサービスを開始する計画を進めていると、米国時間27日にCNETが報じた。

CNETでは、事情に詳しい関係者の話として、スプリントがすでに複数の地域でLTEネットワークのフィールドテストを実施しており、来年第1四半期の後半もしくは第2四半期のはじめにはこのネットワークを使った商用サービスの提供を始めたい考えだと伝えている。スプリントではLTEサービスの展開にあたり、旧ネクステルの買収を通じて獲得した周波数帯のうち、700MHz帯のDブロックと、2013年にサービス停止予定のiDENサービスに使われている800Mhz帯をあてる計画だという。

またスプリントでは、7月に全米をカバーするLTE網の構築を狙うライトスクェアード（LightSquared）の提携を発表。さらに8月には、同社が大株主となっているクリアワイア（Clearwire）がLTE-Advanced規格のネットワーク構築計画を打ち出していたことから、スプリントでは両社が保有するネットワークの利用も視野に入れている可能性がある。

いっぽう、同社が採用するLTEの方式については、いまのところ、AT&Tやベライゾン・ワイアレス（Verizon Wireless）と同じFDD-LTEが有力と見られている。ただし、GTIの立ち上げメンバーでもあるクリアワイアではTD-LTE方式の採用を打ち出していることから、スプリントでは両方式に対応できる端末を投入することになる可能性があるという。

スプリントは、10月7日にニューヨークで「ストラテジー・アップデート」（Strategy Update）と銘打ったイベントを開催する予定だが、このイベントについては不明な点が多く、これまではLTEネットワークの展開、アップル（Apple）「iPhone 5」の取り扱い開始などの可能性が挙がっていた。だが、アップルが新型iPhone発表のためと思われる特別イベントを10月4日に行うことが決まったことから、後者の目はほぼ無くなったといえる。

【参照情報】
・Sprint to launch own 4G LTE network in early 2012 (scoop) - CNET
・Report: Sprint to launch LTE service in early 2012 - Fierce Wireless
・Sprint Said to Be Launching LTE Network Early Next Year - AllThingsD
・政争の具と化すライトスクウェアードの4G網計画 - 民主党政権、FCCへの攻撃材料に
・スプリント、10月7日に「戦略発表イベント」の予告 - 発表内容をめぐって飛び交う憶測
・iPhone 5、米ではスプリントも取り扱いへ - 発売時期は10月半ばか（WSJ報道）