RIM株価急上昇 - 「アイカーンが来るぞ」で思惑買いか
2011.09.28
Updated by WirelessWire News編集部 on September 28, 2011, 12:26 pm JST
2011.09.28
Updated by WirelessWire News編集部 on September 28, 2011, 12:26 pm JST
スマートフォン市場での苦戦が続くリサーチ・イン・モーション(Research In Motion:以下、RIM)だが、米国時間27日には同社の株価が突如急上昇するという出来事があったという。
RIMの株価はこの日、前日に比べて4.5%高い22.65ドルで取引を終えたが、Bloomberg BusinessweekやReutersではこの株価急上昇の理由について、「物言う株主」として知られる大物投資家、カール・アイカーン(Carl Ichan)氏がRIMの株式を買い進めているのではないかとの憶測が市場関係者の間で流れたためと伝えている。
アイカーン氏は、先月グーグル(Google)が買収を発表したモトローラ(Motorola Mobility)の大株主として、以前からモトローラ経営陣に対し、株価上昇につながる施策の実行を迫るなど大きな影響力を持っていたとされる人物。モトローラの売却ではそうした手法が奏功し、巨額の利益を手にする目算が立ったいっぽう、今月23日には以前から続けていた米クロロクス(Clorox)の買収断念を明らかにしたばかりだった。
RIMのBlackberryスマートフォンはここしばらく、アップル(Apple)のiPhoneやハードウェアメーカー各社のAndroid端末に押され気味で、4-6月期の市場シェアは12%(前年同期比7%減)まで落ち込んでいた。さらに満を持して投入したタブレット端末「Playbook」の売れ行きもいまのところ期待を大きく下回る結果となっており、さらに一部で有望視されている新OS「QNX」を搭載したスマートフォンの発売も来年にずれ込むなど、明るい材料が見あたらない状況が続いていることなどもあり、同社株価は年初から61%も下落している。
RIMは、長年にわたって共同CEO兼会長職を務めてきているマイク・ラザリディス(Mike Lazaridis)氏とジム・バルシリ−(Jim Balsillie)氏の2人があわせて11%の株式を保有する筆頭株主であることから、仮にアイカーン氏が同社株式の取得に動いた場合、敵対的なものになる可能性が高いという。
[参照情報]
・Research In Motion Gains on Speculation Icahn May Buy Stake - Businessweek
・RIM shares jump on Icahn stake talk - Reuters
・Clorox Shares Drop After Investor Carl Icahn Withdraws Slate of Directors - Bloomberg
・グーグルをモトローラ買収に追い込んだ4つの「悪夢のシナリオ」(編集担当メモ)
・RIM、6-8月期決算 - 利益59%減少、「Playbook」販売台数は20万台にとどまる
・RIM、BlackBerry新モデル5機種を発表 - 「状況打開には不十分」との見方も
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら