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サムスン、アップルに妥協案提示 - 豪での特許訴訟、Galaxy Tab発売を優先か

2011.09.30

Updated by WirelessWire News編集部 on September 30, 2011, 20:02 pm JST

アップル(Apple)とサムスン(Samsung)がスマートフォンやタブレット関連の特許権侵害をめぐって世界各地の法廷で訴訟を続けていることは既報の通りだが、今週この関連の審理が続けられていたシドニーの豪連邦地裁で30日、サムスンからアップルへの妥協案の提示があり、アップル側でもこの検討する意向を示したと、Wall Street Journal(WSJ)やBloombergなどが伝えている。

Bloombergによると、サムスン側のデビッド・カッターンズ(David Catterns)弁護士は提案の具体的な内容を明らかにしておらず、アップル側のスティーブン・バーレイ(Steven Burley)弁護士は、同法廷に対して、同社にはこの提案の中味を検討する時間が必要と述べたという。

また同弁護士は提案の中味について、両社が合意に至れば、アップルに利益をもたらすものとし、同時にサムスンにとっての不都合も少なくなるだろうとコメントしたという。

サムスンは、アップルからの「Galaxy Tab 10.1」に関する特許侵害の訴えを受け、豪市場での同タブレットの発売を3度にわたって延期してきている。

このシドニーでの裁判では、両社の争点がタッチスクリーン関連の2つの技術にまで絞り込まれていたが、この日に終わるはずだった両社の弁論が終了せず、同訴訟を担当するアナベル・べネット(Annabelle Bennett)判事は審理を10月4日まで持ち越すとして閉廷。またこの審理の遅れを受け、前日までは「来週中にも判定を下す」としていた同判事は、「いつ判定を下せるかについて約束はできない。なるべく早く出すように努力する」と述べたという。

両社の特許侵害をめぐる争いは現在、米、独、蘭、豪、韓、日本などあわせて9カ国20カ所の法廷で争われているが、欧州ではドイツのデュッセルドルフ連邦地裁で9日に、「Galaxy Tab 10.1」の販売差し止めを求めるアップルの訴えを認める判定が下され、サムスンがこれを不服として控訴している。また米国では、カリフォルニア州北部地区連邦地裁に対し、米携帯通信最大手のベライゾン・ワイアレスが、アップルからの販売差し止め請求を認めぬよう求める嘆願書を提出したため、iPhone 5を提供するアップルとの間の軋轢の高まりも懸念されてはじめている。

【参照情報】
Samsung Electronics Gives Apple Proposal to End Australia Patent Dispute - Bloomberg
Samsung Offers Deal to Put Off Apple Dispute - WSJ.com
Samsung offers "comforting" deal to Apple in Australian patent case - TNW
「S・ジョブズ氏自らがサムスンとの衝突回避に動いていた」 - 豪法廷で明らかに
アップル対サムスンの特許訴訟 - 豪ではタッチスクリーン関連技術が争点に
サムスンの肩を持つベライゾン - アップルによる販売差し止め請求に反対表明
サムスン、欧州でまたも黒星 - 独地裁、「Galaxy Tab」の販売を禁じる判定

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