RIM、BlackBerryサービス障害のお詫びに「アプリ無料進呈」
2011.10.18
Updated by WirelessWire News編集部 on October 18, 2011, 12:48 pm JST
2011.10.18
Updated by WirelessWire News編集部 on October 18, 2011, 12:48 pm JST
リサーチ・イン・モーション(Research In Motion:以下、RIM)の提供するBlackBerryのメッセージングサービスなどで先週大規模な障害が発生していた件で、同社は17日に、ユーザーに対するお詫びの印として、定価ベースで100ドル以上するアプリを無料で進呈すると発表。ただし、この措置に対する株式市場の反応は芳しくなく、RIMの株価は同日一時6%も値下がりしたという。
Financial Times(FT)によれば、BlackBerryユーザーは今月19日から年末までの間、RIMが選んだ一部の対応アプリを「BlackBerry App World Store」から無料でダウンロードできるようになるという。このなかには「Sims 3」「Bejewelled」「Texas Hold'em Poker」といったゲームや複数のディクテーション用アプリが含まれるという。また、RIMでは有料のテクニカルサポートを無料で1ヶ月延長することも明らかにした。
アプリの無料提供という措置については、「ソーセージ大食いコンテストの賞品がソーセージだ、というようなもの」と評する声も一部に見られる一方、「迅速な対応」「賢明な動き」と評価するアナリストらの見方もあるという。Reutersでは、「RIMが素早く対応したことは評価できるが、これで傷ついた評判を回復できるわけではない。二度とああした問題は起こらないと顧客に納得してもらうことが重要」とするCSSインサイト(CCS Insight)のジェフ・ブレイバー(Geoff Blaber)氏のコメントや、「手始めとしてはいい対応策と思えるが、ただし彼らはいつも後手にまわっている」とする危機管理専門コンサルタントのリチャード・レビック(Richard Levick)氏の見方などが紹介されている。
これとは別に、RIMは現在各国の携帯通信事業者との間で、このサービス障害によって生じた顧客への補償についての話合いを進めているという。FTでは一例として、アラブ首長国連邦(UAE)のエティサラト(Etisalat)などが顧客に対してすでに補償の約束を交わしていると記しているが、RIMがこの金額を肩代わりするかどうかについてはいまのところ不明だという。
また、今回の問題でRIMがこうむる被害額については、一部で1億ドルとする推定も出されているが、同社のジム・バルシリエ(Jim Balsillie)共同CEOはWSJに対し、「被害の影響を把握するまでにはもう少し時間がかかる」とコメントしている。
先週のサービス障害は、欧州からはじまり中近東・北アフリカ、アジア、南米などに拡大、3日目の12日には北米市場の一部にまで拡がり、これらの地域のBlackBerryユーザーは、電子メール、インスタントメッセージ(IM)、ウェブブラウザーなどが断続的に使えなくなる状態が続いていた。
RIMはスマートフォン市場でアップルやグーグルのAndroid端末に押され、顧客離れの問題に直面している。今回のサービス障害の発生時期がアップル「Phone 4S」の発売と重なったことなどから、さらに顧客流出が加速するとの懸念の声もアナリストの間からは上がっている。
【参照情報】
・BlackBerry says sorry with $100 in apps - FT
・Investors unexcited by BlackBerry's free apps offer - Reuters
・BlackBerry mess could cost RIM up to $100 million - Montreal Gazette
・RIM's Balsillie: Too Early to Assess Outage's Impact - WSJ
・RIM BlackBerryサービスが復旧 - ラザリディス共同CEOが謝罪
・RIM Blackberryのサービス障害、3日目に突入 - 完全復旧のメドたたず
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