ノキア、初のWindows Phone OS搭載スマートフォンなどを発表
2011.10.27
Updated by WirelessWire News編集部 on October 27, 2011, 11:08 am JST
2011.10.27
Updated by WirelessWire News編集部 on October 27, 2011, 11:08 am JST
フィンランドンのノキア(Nokia)は英国時間26日、ロンドンで開催した「Nokia World」カンファレンスで、同社初のWindows Phone OS搭載スマートフォン「Lumia 800」「Lumia 710」など、待望の新機種やサービスなどを発表した。
「Lumia 800」は、同社が今年発表していたMeeGo OS搭載スマートフォン「N9」に似たデザインのハイエンド向け製品で、OSにはWindows Phone OS(ver. 7.5「Mango」)を採用。ハードウェアの仕様については、クアルコム(Qualcomm)製の1.4GHz「Snapdraon S2」プロセッサ、800万画素のカール・ツァイスカメラ、3.7インチのクリアブラックAMOLEDディスプレイ(解像度800☓480ピクセル)、16GBの内蔵フラッシュメモリなどとなっている。価格は通信事業者の端末補助金なしで420ユーロ。いっぽう、270ユーロのエントリーモデル「Lumia 710」は、OSやプロセッサなどは「Lumia 800」と共通するものの、全体の形状や液晶画面やカメラの解像度などが異なるという。
両製品の発売時期については、欧州(ドイツ、フランス、イギリス、スペイン、イタリア、オランダ)が11月、さらに一部のアジア市場(香港、シンガポール、台湾)やロシア、インドでも年内の発売となるいっぽう、米国や中国への投入は2012年以降になるという。
スマートフォン市場で苦戦を続けてきたノキア、ならびに携帯端末用OS市場で一桁台のシェアに留まっているマイクロソフトにとって、今回発表された新製品は今後の展開を占う上で重要な試金石とみられている。とりわけ、2007年の初代iPhone発売前には50%以上あった市場シェアが、今年第2四半期には約20%まで落ち込んでいるノキアでは、この間に時価総額が630億ユーロも減少しており、今年だけでも株価が37%も下落していることなどから、Windows Phone搭載端末の投入を起死回生に向けたラストチャンスとする見方も一部ではみられる。
ノキアのステファン・イーロップ(Stephen Elop)CEOは両製品の発表にあたり、「Lumiaという言葉は『光』を意味するもので、ノキアにとっての新たな夜明けという思いも込められている」と述べたとFTは伝えている。また同氏はFTとのインタビューのなかで「今回はノキアが方向転換できるということを示すとても重要な機会。ただし、現在進めている企業の変革には時間がかかる」と述べたという。
今回の発表内容について、FTとBloombergはいずれも市場調査会社ガートナー(Gartner)のアナリスト、キャロライナ・ミラネシー(Carolina Milanesi)氏のコメントを紹介しているが、同氏は「ノキアは期待以上の製品を出してきた」(FT)「2月に説明した戦略を実行できる力があることを示した」(Bloomberg)とするいっぽう、他のハードウェアメーカーとの製品の差別化などに関して「まだやり残した課題も多い」と慎重な見方も示している。
また、CCSインサイト(CCS Insight)のアナリスト、ジョフ・ブレイバー(Geoff Blaber)氏はFTに対し、「ノキアは現在の状況下で期待されることを実際にやってきた。ただし、ノキアの実力がわかるのは、この次に投入される製品群になるだろう」とコメントしている。
ノキアは、今回の発表のなかで、新製品に搭載するソフトウェアやサービス、さらに新興市場向けの新端末も披露している。
サービスについては、マイクロソフトのクラウドストレージサービス「SkyDrive」(25GBまで無料で利用可能)、音楽ストリーミングサービスの「Mix Radio」、ナビゲーションサービスの「Nokia Drive」などが発表された。
またアプリでは「LiveView」「Pulse」など、位置情報を利用する複数の新製品が披露されたが、前者については建物などにスマートフォンのカメラをかざすとその名前や関連情報へのリンクなどが表示されるというもの、また後者についてはユーザーの居場所やステータスを表示し、選択した相手と共有できるようにするものだという。さらに、世界の400以上の都市について交通機関の時刻表や道案内に関する情報を提供するアプリなども紹介されたという。
いっぽう、新興市場向けの新製品「Asha」はあわせて4モデルが発表されたが、いずれもSymbianベースの「S40」OSを採用し、Qwertyキーボードを搭載している。同社ではこれらを、スマートフォンとフィーチャーフォンの中間となる製品と位置付けているという。またタッチスクリーン搭載モデルには、フィンランドのロビオ(Rovio)が開発した人気スマートフォン・ゲームアプリの「Angry Birds」もバンドルされる。なお、価格については最も安い「Asha 200」が60ユーロからとなっているが、同製品は中国などで人気の高いデュアルSIM対応になるという。
[Lumia]
[Asha]
【参照情報】
・Nokia Launches Windows Phones in Bid Against Apple - Bloomberg
・Nokia unveils Windows handsets - FT
・Nokia Hopes Services, Design Will Make Its First Windows Phones Stand Out - AllThingsD
・Nokia Lumia 800 pictures, video, and hands-on preview - This is my next
・Nokia introduces Asha, a new line of 'aspirational' phones for emerging markets - TNW
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