[2011年第47週]顧客満足度は今年もドコモに軍配、ショッピングやクーポンでサービス連携、攻めるWiMAX
2011.11.28
Updated by Naohisa Iwamoto on November 28, 2011, 09:00 am JST
2011.11.28
Updated by Naohisa Iwamoto on November 28, 2011, 09:00 am JST
勤労感謝の日を挟んだ第47週は、国内のモバイル業界では突出して大きなニュースはなかった。その中で、まず調査機関の調査結果から紹介していこう。
J.D.パワー アジア パシフィックが発表した2011年日本携帯電話サービス顧客満足度調査の結果によると。総合満足度ランキングは昨年に引き続きNTTドコモが首位になった。顧客満足度は1000ポイント満点で、NTTドコモは592ポイントを獲得した。6つのファクターのうち、通信品質・エリア、提供サービス、アフターサービス対応、電話機購入経験の4つで他社を上回る評価を得た。2位はau(KDDI)で581ポイント、3位はソフトバンクモバイルで535ポイントだった(関連記事:2011年の個人向け顧客満足度調査はNTTドコモが首位)。
MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)は、「タブレット端末の所有率、及び満足度調査」の結果を公表した。その中で、増えたらいいと思う電子書籍のジャンルを尋ねたところ、iPadとタブレット端末で需要が異なる結果が表れた。iPad所有者のトップは「ビジネス書」で60.3%、タブレット端末所有者では「雑誌」が58.8%で首位だった(関連記事:電子書籍で読みたいジャンル、iPadとタブレット端末のユーザーで違い)。
複数の企業のサービスを連携させて、価値を高める戦略が具現化してきた。
ヤフーとKDDIは、インターネットショッピングモールの「Yahoo!ショピング」の決済手段として、「auかんたん決済」を追加したと発表した。ショピングの商品代金を、毎月のau携帯電話料金とまとめて支払うことができる。対応端末はauケータイ(WINシリーズ)とauスマートフォン。ただし「IS02」「Windows Phone IS12T」では利用できない。導入店舗は、11月21日時点でYahoo!ショッピング出店店舗(全2万625店)のうち、1437店舗となる(関連記事:Yahoo!ショッピングの決済をau携帯料金とまとめて支払い可能に)。
NTTドコモとリクルートは、新しいクーポン配信サービスの提供に向けた協業に合意したと発表した。ドコモの電子マネー「iD」と、リクルートの「ホットペッパーグルメ」などのクーポン情報を連携させる。2012年春のサービス提供に向けて検討を進めるという。ユーザーのiD利用履歴や携帯電話の位置情報を使って、リクルートが提供する「ホットペッパー グルメ」「ホットペッパー ビューティー」など各種のクーポン情報を個別に配信する(関連記事:iD利用履歴や位置情報と連動したクーポン配信、ドコモとリクルートが提供)
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UQコミュニケーションズがインフラを提供するWiMAXは、着実にユーザー数を増やしている。そうした中で、一層の利便性確保を目指した方策が明らかになった。UQコミュニケーションズは、WiMAXサービスの家庭などでの利用を想定した新しい割引料金と、据え置き型のWiMAXルーターを発表した。料金は、2回線を契約すると2回線目を月額2480円で利用できる「WiMAXファミ得パック」。WiMAXルーターは、有線LANポートを備えた「URoad-home」であり、有線のブロードバンドルーターの代わりに利用できる(関連記事:UQ、2回線目を割り引く「WiMAXファミ得パック」と据え置き型ルーター)。
また、東京の地下鉄などのエリア強化についても発表した。地下鉄のエリア拡大では、東京都交通局との基本合意に基づいて11月28日から都営三田線の大手町駅でWiMAX無線設備の設置工事に着手する。現状で9600万人となっているカバーする実人口を、2012年3月末までに1億人へと引き上げる「全国実人口カバー 1億人計画」を併せて実施する(関連記事:UQ、都営地下鉄、実人口カバーなどWiMAXサービスのエリア強化)。
一方、KDDIもWiMAXを利用したサービスでユーザーの取り込みを狙う。3G携帯電話とWiMAXの両方のサービスを利用するデータ通信サービス向けに、新しい料金プランを12月1日に提供する。最大25カ月にわたり月額4410円で利用でき、低料金でエリアの広い3Gと下り最大40MbpsのWiMAXを組み合わせて使う環境が手に入る(関連記事:KDDI、3G+WiMAXのデータ通信を月額4410円で25カ月使えるプラン)。
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ソフトバンクモバイルは2011年11月25日、iPhone 3G/3GSを利用しているユーザーが、iPhone 4/4Sに機種変更する際に、分割支払金の残金相当額を値引きする「実質無償機種変更キャンペーン」の期間を延長すると発表した。2012年1月31日まで受付ける(関連記事:ソフトバンク、iPhone機種変更の実質無料キャンペーンを来年1月まで延長)。ソフトバンクモバイルは、前週にもデータ通信サービスの割引キャンペーンを延長すると発表している。キャンペーンの終了時期は、事業者の都合によって自在に変わるものだと認識することも賢い消費者を演じるためには必要だろう。
法人向けサービス開始の話題を1つ。KDDIは、auのAndroid搭載スマートフォンを利用する法人向けに、スマートフォンのセキュリティ管理サービス「KDDI 3LM Security」の提供を開始した。これまでのアプリケーションレベルの管理では実現できなかった、デバイス管理やアプリケーション管理などの機能を提供できるようになる(報道発表資料:「KDDI 3LM Security」の提供開始について)。
最後に、注目の政策仕分けに関する話題で締めたい。11月20日から23日に行われた「行政刷新会議 提言型政策仕分け」では、映像のライブ配信に加えて、即時のオンデマンド配信を行った。ビットメディアが開発したストリーミング配信プラットフォーム「ShareCast」(シェアキャスト)を活用したもの。単一フォーマットの動画を、さまざまな機器でライブ/即時オンデマンドで再生できる。政策仕分けでは、iPhone/iPad に加えて、WindowsやMAC、Android端末でも映像をライブで見たり、オンデマンドで配信を受けられた。政策仕分けの現場を手のひらの上の端末で、リアルタイムやオンデマンドで自在に確認できる時代になっていたのだ(報道発表資料:ライブ/オンデマンド統合ソリューション『ShareCast Playlist Editor/Player』を開発、「行政刷新会議 提言型政策仕分け」のライブ/即時オンデマンド中継を実)。
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