サムスン、「iPhone 4S」ソースコードなどの開示を要求 - 豪州での訴訟で
2011.11.02
Updated by WirelessWire News編集部 on November 2, 2011, 10:57 am JST
2011.11.02
Updated by WirelessWire News編集部 on November 2, 2011, 10:57 am JST
アップル(Apple)とサムスン(Samsung)が今年春以来互いの特許権侵害をめぐって世界各国で訴訟を続けていることは既報の通りだが、1日にはオーストラリアの法廷で、サムスンがアップルに対し、「iPhone 4S」ファームウェアのソースコードや、同国の携帯通信事業者と結んだ契約内容の開示を求めたという。
この日の法廷で、サムスン側の弁護士は、iPhone 4Sで使用されている3G関連の技術がサムスン保有の3つの特許の無断使用にあたると主張、同国内でのiPhone 4Sの販売差し止めを求めていく構えを示した。またサムスン側は、同製品を取り扱う大手携帯通信事業者3社 -- ボーダフォン(Vodafone)、テルストラ(Telstra)、オプタス(Optus)がアップルと結んだ契約について、販売奨励金に関する事柄などを中心に情報開示を求めたという。
シドニーの連邦地裁で争われている両社の特許関連訴訟では、先ごろアップルの訴えが認められ、サムスンに対して「Galaxy Tab 10.1」の販売差し止めを命じる判定が下されていた。この判定を下したアナベル・ベネット(Annabel Bennett)判事が、今回の訴訟も担当しているという。
サムスンはフランスやイタリア、日本でも、iPhone 4Sの販売差し止めを求める訴えを起こしており、豪でのこの訴訟も10月半ばに訴えが提出されていたもの。ただし、同社が根拠として挙げている3つの特許はオランダの法廷で同社の主張が退けられたいわゆる「FRAND」特許であることから、「サムスンにはほぼ勝ち目はない」という見方も出ていた。いっぽう、サムスン側がこの特許ライセンスの対象地域に豪州が含まれていないと主張する可能性も指摘されているという。
またこの訴訟で、アップル側はiPhone 4S用の無線通信チップを供給するクアルコム(Qualcomm)がサムスンと交わしたライセンス契約のなかに、サムスンが根拠に挙げた特許が含まれているとして、サムスンの主張を否定している。
【参照情報】
・Samsung: Show Us The Source Code, Apple - Smartoffice
・Samsung requests iPhone 4S firmware source code and details of Apple's carrier subsidy agreements - 9to5 Mac
・Samsung wants iPhone 4S source code, Apple carrier agreements in Australian lawsuit - TNW
・サムスン、アップルに逆襲- 日本、豪で「iPhone 4S」の販売差し止め請求
・豪法廷「Galaxy Tab 10.1」販売差し止め判定の影響について(編集担当メモ)
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