腕時計型など身体に接触させるタイプの睡眠センサーが各社から発表されている中、2006年設立のアメリカのBAM Labs社(カリフォルニア州Los Gatos)が、センサーをベッドのマットレスに仕込むことで、寝るだけで心拍や無呼吸を測定できるシステムを開発した。
キャンプなどで使われるエアマットのように空気で膨らむマットレスの隅に装着したモニターが、寝ている人の心臓の鼓動や呼吸などで生じるマットレス内部の空気圧の変化を計測するという。同社ではこの仕掛けをTLC(タッチフリー・ライフ・ケア(Touch-free Life Care)ソリューションと呼んでいる。
モニターは集めたデータをUSBで外づけのボックスに送る。ボックスはWi-Fi装置経由でクラウドにつながっていて、クラウド上で心拍や呼吸が分析される。病院などでの利用に備えて、1台のW-Fi装置で複数のベッドをモニターできる。解析されたデータはウェブのダッシュボードや、iOSまたはAndroidアプリケーションで確認できる。
アメリカと日本で先行導入されるようで、日本ではまず高齢者福祉施設(老人ホーム)で使われるとのこと。高齢者のベッドからの転落や、長時間、ベッドに戻らない夜間の徘徊を検知できる。日本ではヘルスケアーテック社が代理店となっている。カメラによる監視に比べれば、プライバシー侵害の度合いは少なく、逆に監視カメラでは難しい睡眠時無呼吸症候群も検出することができる。同社は2012年には救急病院向けのシステムや、家庭向けシステムの発売に向けて準備を進めているという。
【参照情報】
・Bam Lab: Mattress monitor for heart rate, sleep apnea
・BAM Labs Biometric Contact-Free Sensor Keeps Close Eye on Patient Breathing, Heart Rate
・Sleep Sensor Hides Beneath the Mattress
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