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B2Gなら「iPhoneの10倍安上がり」- テレフォニカがモジラOS採用

2012.02.28

Updated by WirelessWire News編集部 on February 28, 2012, 15:50 pm JST

モジラ財団(Mozilla Foundation)が27日(欧州時間)、バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2012」で、モバイル端末向けのOSとなる「Boot to Gecko」(B2G)を発表した。

このOSは同グループが昨年から開発に取り組んできたもので、Firefoxブラウザに使われているレンダリング・エンジン「Gecko」を核に、HTML5ベースのウェブアプリが動作する。このOSを採用するモバイル端末は「Open Web Devices」と呼ばれることになるが、その第一弾として、欧州ならびに中南米の各国でサービスを展開するテレフォニカ(Telefonica)が、フィーチャーフォンに代わる低価格のスマートフォンを今年中に投入する予定を明らかにしている。

B2Gの取り組みに協力するテレフォニカの幹部は、「Open Web Devices」の提供を通じて「新興国の大衆市場にスマートフォンを投入することが可能になる」との考えを明かし、価格についても「iPhoneのほぼ10分の1」になると述べたと、CNETは記している。

またB2Gの開発にはドイツテレコム(Deutsche Telekom)の研究部門も協力する意向を表明。さらにOpen Web Devices用のチップセットを供給するクアルコム(Qualcomm)は、今後リファレンスデザインも提供予定だという。なおこの日テレフォニカのデモで使われた端末は、600MHzのプロセッサや480x320ピクセルの液晶画面が搭載され、ブラウザ上からテキストメッセージのやりとりや簡単なゲームをすることが可能なものだという。

モジラではB2G端末向けのウェブアプリを提供する「Mozilla Marketplace」も用意していくとしている。

WSJによると、多くの新興国市場では、携帯通信事業者が長期契約を前提とした購入時の割引を提供していない場合も多く、消費者が端末の価格に敏感になる傾向が強い。そのため、たとえば深刻な経済危機に見舞われたギリシャやポルトガルなどでは、価格の安さで勝るAndroid端末が過半数のシェアを占めるいっぽう、全世界で販売台数首位に立ったiPhoneのシェアが1ケタ台に留まったという。

【参照情報】
Telefonica: Mozillaphone is 'ten times cheaper than an iPhone' - CNET
Do we need another mobile OS? Mozilla thinks so - GigaOM
Mozilla, Telefonica partnering on Boot to Gecko-enabled 'Open Web Devices' for 2012 - The Verge
IPhone's Crutch of Subsidies - WSJ

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