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中国での「iPad」商標権問題 - 大手銀行も介入で、泥沼化の様相

2012.03.09

Updated by WirelessWire News編集部 on March 9, 2012, 09:45 am JST

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(cc) Image by bfishadow

中国における「IPAD」の商標権をめぐって米アップル(Apple)と争っているプロビュー・テクノロジー(Proview Technology)は、中国国内の販売業者に対し、タブレット端末「iPad」の販売を停止するよう求めた。同社は小売業者らに対し、同端末の販売を続ければ「意図的に特許権を侵害しているものとみなす」と記した書簡を送付し、この要求に従わない業者に対しては法的手段も辞さない構えを見せているという。

さらに、プロビューの親会社である香港のプロヴュー・インターナショナル・ホールディングス(Proview International Holdings)の債権を保有する中国の銀行8行も、「IPAD」の商標権がプロビューにあると主張しているという。8行を代弁するコンサルティング会社Hejun Vanguard Groupは8日(現地時間)、報道陣宛の電子メールのなかで、2009年に行われたProview International Holdingsの組織改編の過程で、「IPAD」の商標権が中国銀行(Bank of China)、国家開発銀行(China Development Bank)、中国民生銀行(China Minsheng Banking)、廣發銀行(China Guangfa Bank)、交通銀行(Bank of Communications)、上海浦東発展銀行(Shanghai Pudong Development Bank)、華夏銀行(Hua Xia Bank)、深圳平安銀行(Shenzhen Pingan Bank)の8行の手に渡ったと説明している。

アップルは2009年12月に、Proview International Holdingsと、商標権「IPAD」の移譲について合意に至っているが、プロビュー側ではこの合意のなかには中国における商標権は含まれていないと主張。中国メディアの報道によると、プロビューはアップルに対し、100億元(16億ドル)の賠償金を求めているという。いっぽうアップル側は、中国を含む10か国での商標権を購入済みだとしている。

中国で昨年に行われた一審では、プロビュー側の主張を認める判決が下されていた。現在広州の裁判所で行われている控訴審の判決は、数週間から数か月以内に下される見込み。

さらに今回、2009年12月の時点で商標権は8行に委譲済みであったとの主張が加わった。アップルにとって中国は2番めに大きな市場となっており、一連の争いの行方が注目されている。

【参照情報】
IPad Dispute in China Gets Murkier - Wall Street Journal (WSJ)
Apple faces new fight in China IP dispute - Financial Times (FT)
Proview Shenzhen asks China distributors to halt iPad sales - Reuters
「iPad」商標権問題 - アップル、中国企業を名誉棄損で告訴の構え
中国でのiPad商標権問題が過熱 - 原告が輸出入差し止めの訴え

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