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アップル、自社推進SIMに関わる必須特許をライセンス料なしで提供か - 次世代SIM規格争い

2012.03.27

Updated by WirelessWire News編集部 on March 27, 2012, 10:38 am JST

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(cc) Image by akiraak2

アップル(Apple)と、ノキア(Nokia)など複数の競合端末メーカーとの間で争いが生じている次世代の小型SIMカード--「ナノSIM」("nano-SIM"))の規格策定に関し、新たな動きが浮上している。

知財分野を専門とするFoss Patentsによれば、アップルはこの件に関し、欧州電気通信標準化機構(European Telecommunications Standards Institute:ETSI)に対して、「自社が推す新型SIMカードの規格が標準に採用された場合、アップルが持つこのナノSIMに必要不可欠な特許をロイヤリティフリーで他の企業にも提供する」という内容の手紙を米国時間19日に送ったという。同ブログは、アップル側のこの動きについて、規格争いで競合する他企業が懸念していたアップルのSIMまわりの特許の問題への懸念を払拭するものとなる、と述べている。

いっぽう、ノキアはこれに対し「アップルは自社推進のSIMに必要不可欠な特許など何も持っていない」とし、「ロイヤリティフリーでの特許提供という言い分は、単に他のSIM規格の価値を貶めるためのものだ」とする声明を広報担当者が発表しているという。

ちなみに、両社それぞれが推進するSIMについては、The Vergeが図解とともに紹介。ノキアが「ETSIの必要条件を満たしていない」としているアップルのSIMは「意外にも」最もETSIの基準に忠実なものに見えると、同ブログは記している。

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[The Verge via My Nokia Blog]

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[The Verge via My Nokia Blog]

具体的には、ETSIは新たなSIM規格について8つの電気接点を設けるように定めているが、アップルのものは接点の配置がこれまでのmicro-SIMやmini-SIMと同じで、アダプタがあれば理論的には前世代のSIMにしか対応していない端末でも利用できるという。いっぽうでノキアやリサーチ・イン・モーション(Reseach In Motion)が推進しているものは、microSDのような接点の配置でアダプタを使って互換性をもたせることはほぼ不可能であると見られている。

このSIMカードの新規格に関しては、ETSIの会合における投票での標準決定を今週末に控えている。

(編者註:日本時間27日午前10時半時点では当該記事のページにアクセスできない状態が続いており、Apple側で推すナノSIM設計図がいまも掲載されているかどうかを確認できない。下記はグーグル検索から見つけたノキアならびにRIMのもの)。

【参照情報】
Nano-SIM war: here's what Apple and Nokia want to put in your next phone - The Verge
Apple offers royalty-free license to nano-SIM patents, a proposed standard backed by most European carriers - Foss Patents
Apple offers royalty-free licensing of proposed nano-SIM to competitors (Updated) - 9to5 Mac
次世代SIM規格争い、「アップルはETSIの必要条件を満たさず」とノキア
次世代小型SIMをめぐり、アップルと競合端末メーカー各社が対立(FT報道)

昨年、アップルが「iPhone 4」や「iPad 2」に採用しているものよりもさらに小さなSIMカードの規格を提案したという記事はこちら

アップルではこれまでにも、たとえば複数の携帯通信網をSIMカードの入れ替えなしで使い分けられる「ユニバーサルSIM」など、独自のSIMカード開発の可能性が浮上していたことがある。

アップルがさらに小型のSIMカード規格を提案 - 「埋め込み型への布石」の可能性も

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