ARM、ゲマルトらがモバイルセキュリティ関連のJV設立へ
2012.04.05
Updated by WirelessWire News編集部 on April 5, 2012, 10:25 am JST
2012.04.05
Updated by WirelessWire News編集部 on April 5, 2012, 10:25 am JST
モバイル端末用プロセッサなどの設計を手がける英ARMは現地時間3日、クレジットカードや携帯通信端末用のSIMカードなどを開発する仏ゲマルト(Gemalto)、ならびにスマートカードや決済用システムを手がける独ギーゼッケ アンド デブリエント(Giesecke & Devrient:以下、G&D)の2社と、セキュリティ技術関連の合弁会社(JV)を設立することで合意したと発表している。
新JVへの出資比率はARM 40%、ゲマルト30%、G&D30%で、資本金の金額は不明ながら、3社はそれぞれの人材や特許、ソフトウェアなどをこのJVに提供していくという。
ARMのウォーレン・イースト(Warren East)CEOは、FTに対し、スマートフォンやタブレット、ゲーム端末、スマートTVなどにはセキュリティ関連の標準プラットフォームがいまのところ存在しておらず、それが「スマートデバイス向けのコンテンツやサービスを開発する上での妨げとなっている。統一された標準プラットフォームをつくることで、この問題の解決を目指す」と述べている。
3社はARMの「TrustZone」技術をベースに、ネット経由の動画レンタルに必要となる暗号化技術などを開発し、コンテンツ提供者がいまより簡単に新サービスを開始・運営できるようにしていく考えだという。
FTによると、携帯通信端末をターゲットにしてウィルスやハッカーによる攻撃は、2010年の1万1138件から、2011年には2万8472件と大幅に増加。これがスマートフォンの仕事での利用や、モバイル決済システムの普及の妨げになっている面があるという。
新JVの競合となりそうなのは、プロセッサ分野でARMと争うインテル(Intel)。同社は2010年に買収したマカフィー(McAfee)のセキュリティ技術を自社のチップに組み込む形でソリューションを提供している。
【参照情報】
・Arm in JV to create mobile security standard - FT
・ARM to Set Up Digital Security Joint Venture - WSJ
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