AT&T、イエローページ部門を切り離し - PEファンドの米サーベラスが大株主に
2012.04.10
Updated by WirelessWire News編集部 on April 10, 2012, 10:36 am JST
2012.04.10
Updated by WirelessWire News編集部 on April 10, 2012, 10:36 am JST
AT&Tは米国時間9日、同社の電話帳事業であるイエローページ(Yellow Pages)について、53%の株式を売却すると発表した。売却先は米国のプライベートエクイティ(PE)ファンドのサーベラス・キャピタル・マネジメント(Cerberus Capital Management)で、売却金額は9億5000万ドル。このうち7億5000万ドルを現金でAT&Tに支払われ、残り2億ドル分の債務はサーベラスが引き受けることになるという。
またこの取引合意に伴い、イエローページ部門はYPホールディングス(YP Holdings LLC)という独立した法人と切り離され、その株式の47%をAT&Tが保持する形になるという。
AT&Tのイエローページは22州で事業を展開し、約1億5000万軒の事業所や家庭に電話帳を配布。しかし、インターネットの普及にともない、この分野ではグーグル(Google)をはじめとして、グルーポン(Groupon) やイェルプ(Yelp)といったオンラインの競合企業が台頭。これに対し、AT&TではYP.comというサービスを立ち上げて、店舗情報やローカル広告などのサービスを提供してきたが大きな成功には結びついておらず、イエローページの昨年の売上は前年比16%減となっていたという。
AT&Tは、大きな成長を期待できないイエローページ部門を切り離すことで、今後は主力の携帯通信事業に専念する意向だという。AT&Tのランデール・スティーブンソン(Randall Stephenson)CEOは1月に「業績の伸びがあまり期待できず、戦略的にも重要でない資産については、売却もしくはリストラを検討する」と述べていたとBloombergは指摘している。
電話帳ビジネスは一定のキャッシュフローが見込めることもあり、PEファンドにとってはよい買収対象の1つだという。
2001年にはブリティッシュ・テレコムのイエローページ部門が2つのPEファンドに買われ、また2006年にはフランステレコム(France Telecom)の電話帳事業が大手ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(Kohlberg Kravis Roberts:KKR Co.)に売却されていた。
【参照情報】
・AT&T to Sell Majority of Yellow Pages Business to Cerberus - Bloomberg
・AT&T ditches the Yellow Pages - CNN Money
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