マイクロソフト、バーンズ&ノーブルと提携 -「Nook」新設子会社に3億ドル出資
2012.05.01
Updated by WirelessWire News編集部 on May 1, 2012, 09:59 am JST
2012.05.01
Updated by WirelessWire News編集部 on May 1, 2012, 09:59 am JST
マイクロソフト(Microsoft)とバーンズ&ノーブル(Barnes & Noble:以下、B&N)は米国時間30日、B&Nが同社の電子リーダー「Nook」の部門を切り離して新たに設立する子会社にマイクロソフトが3億ドルを出資すると発表した。
新たな子会社の名前は未定だが、NookとNook向け教育ソフトウェア関連のビジネスを手がけることになる。マイクロソフトはこの出資により、新設子会社の17.6%の株式を取得する。Nook新会社の評価額は17億ドルとなる。
また、B&Nはマイクロソフト製OSを搭載する端末向けの電子書籍アプリ開発も進め、マイクロソフトの次世代OSであるWindows 8にもNookの電子書籍ストアが対応する予定。いっぽう、Android OSを利用するNookに対してマイクロソフトが特許関連で訴えを起こしていた件に関しても、両社の間で和解が成立。今後は新子会社がマイクロソフトからライセンスの提供を受けることになる。
Nook部門の切り離しと新会社設立に関しては、B&Nが今年1月にその可能性を示唆していた。
この発表後、B&Nの株価は一時60%以上急騰、ただしそれでも同社の時価総額は13億ドルと、分離されるNook部門のそれに及ばないとNYTimesは記している。
Bloombergによると、アマゾン(Amazon)の電子書籍端末「Kindle Reader」を追撃する形で2009年からNookを販売しているB&Nでは、電子書籍関連の売上(端末、コンテンツ、アクセサリを含む)が過去1年間で約15億ドルと、全体の約20%に達しているという。また、1月末までの3ヶ月間にはNook部門の売上が5億4200万ドルで38%増と好調ないっぽう、従来の書籍販売(店舗などでの小売)事業はわずか2%の伸びに留まったという。
ただし、米国の電子書籍市場ではアマゾンのシェアが約6割を占め、B&Nのシェアは約30%と同社の苦戦が続いている。こうしたことから、今後Nook新会社では欧州を中心とした海外市場での展開に力を入れていくという。なお、米国と英国では電子書籍の普及率は書籍市場全体の6%、いっぽう独・仏市場では2%以下だという。
【参照情報】
・Barnes & Noble Surges After Microsoft Investment - Bloomberg
・Microsoft to Take Stake in Nook Unit of Barnes & Noble - NYTimes
・Microsoft to Invest in Barnes & Noble's Nook - WSJ
・Barnes & Noble, Microsoft ink $300M strategic deal on e-reading - CNET
・At $1.7 billion, Nook is worth more than Barnes & Noble itself - GigaOM
・B&N「Nook」端末、新聞や雑誌の定期購読で大幅割引に
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