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サムスンに制裁措置 - 米での対アップル特許訴訟、ソースコード非開示を理由に

2012.05.07

Updated by WirelessWire News編集部 on May 7, 2012, 10:25 am JST

サムスン(Samsung)「Galaxy」シリーズのタブレットやスマートフォンがアップル(Apple)製品に酷似しているとして、アップルがサムスンによる特許権侵害を訴えている問題で、米国時間4日、この訴訟に携わるポール・グリューワル(Paul Grewal)米治安判事は、サムスンがアップルに対してソースコードを引き渡すよう求めた裁判所の命令に従わなかったとして、同社の反論を退けるとする制裁措置を課す判断を下した。

この訴訟は、Galaxy端末に搭載された「Touch Wiz」ユーザーインターフェイス(UI)のうち、「blue glow」と呼ばれる機能に関するもの。アップルはiOSに実装する「scrollback」(スクロールバック)という機能について特許を取得しており、サムスンはこの特許侵害を回避するために「blue glow」を実装。これに対し、アップルは異議を申し立て、「blue glow」に関するソースコードの開示を求め、この要求が裁判所に認められていた。

サムスンに対して裁判所が示したソースコードの開示期限は昨年12月31日となっていたが、結局この期限までにソースコードが引き渡されなかったため、アップルは裁判所に対して制裁措置を課すよう求めていた。今回のグリューワル判事の判断は、アップルのこの要求に基づくもの。

The Vergeではこの件に関し、なぜサムスンがソースコード開示要求に従わないという賭けに出ることにしたかが理解できないと指摘。また、今回の判断でサムスンがこの件について反論の機会を失うことになったことから、今後TouchWizに採用したオリジナルのスクロールバック機能がアップルの特許を侵害していると判断された場合、その回避策として新たに実装された「blue glow」機能も特許侵害となる可能性がある、としている。また同ブログは、サムスンがこの訴訟を担当するルーシー・コー(Lucy Koh)判事に対して、制裁措置への異議を申し立てる可能性が高いとしている。

アップルとサムスンは現在世界各地の法廷で特許訴訟を争っているが、カリフォルニア州北部地区の連邦地裁(U.S. District Court, Northern District of California)で争っているGalaxy端末関連の特許侵害訴訟については、4月半ばに両社が和解に向けた話合いに同意。これを受け、今月後半にアップルのティム・クック(Tim Cook)およびサムスンのチェ・ジソン(Choi Gee-sung:崔志成)両CEOが出席する話し合いが持たれることになっている。

【参照情報】
US judge sanctions Samsung, kills important defense against Apple - The Verge
Apple Wins Ruling, Sanctions in Samsung Infringement Suit - Bloomberg
アップル、サムスンの特許権訴訟 - 両社CEOが和解交渉へ

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