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[2012年第24週]INTEROPの見所、Xi300万契約、ドコモ固定→携帯の値下げ

2012.06.18

Updated by Naohisa Iwamoto on June 18, 2012, 10:30 am JST

2012年第24週には、インターネットや情報通信に関連したイベント「INTEROP JAPAN 2012」が千葉市の幕張メッセで開催された。また、NTTドコモを中心としたキャリアーの報道発表が多くあった一週間でもあった。

サイバー攻撃、Wi-Fi汚染、MDM、INTEROPに見る先端事情

まずINTEROPの見どころから。INTEROPで最新の研究成果を紹介している情報通信研究機構(NICT)のブースで今年ひときわ目立っていたのは、インシデント分析センター「nicter(Network Incident analysis Center for Tactical Emergency Response)」を紹介する一連の展示である。nicterの観測網を利用したアラートシステム「DAEDALUS(Direct Alert Environment for Darknet And Livenet Unified Security)」の可視化エンジン「DAEDALUS vis」のデモが見られた。リンク先では動画でその模様を確認できる(関連記事:[INTEROP TOKYO 2012]DAEDALUSでビジュアライズされたサイバー攻撃(動画))。

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Wi-Fiの電波が、多数のアクセスポイントの干渉などにより汚染されて、うまくつながらないといった問題が生じている。これに対応するため、Wi-Fiアライアンスによって策定されたのが、「Hotspot2.0」という規格だ。1つのアクセスポイントを使った複数サービス事業者への「ローミングサービス」を可能にする。INTEROPでRuckus Wirelessは、このHotspot2.0に対応したWi-Fiアクセスポイントとコントローラー「SmartCell Gateway(SCG)」を展示していた(関連記事:[INTEROP TOKYO 2012]Wi-Fi汚染問題解決の切り札となるか Ruckus WirelessのSmartCell Gateway)。

ヤマハとSCSKは、単体でMDM(Mobile Device Management)機能を提供する無線LANアクセスポイント「X11」を、INTEROPに参考出展し来場者に注目されていた。主に、社内ネットワークへのスマートフォン接続を検討している中小企業をターゲットに、箱1つで完結するMDMソリューションとして展開する(関連記事:[INTEROP TOKYO 2012]ヤマハ、単体でMDM機能を提供する無線LANアクセスポイントを参考出展)。

INTEROPと併催されているIMC Tokyo 2012(Interop Media Convergence)には、Broadcaster's Innovationというコーナーが設置されていた。NHK・民法テレビキー局が中心に、TV局が開発したアプリやIP伝送技術などを紹介していた(関連記事:[INTEROP TOKYO 2012]IMC2012で見た、通信と放送の融合)。

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Xiが300万契約、イーモバ共通絵文字に

キャリアーのサービス関連のニュースを確認していく。NTTドコモは、LTE方式による高速通信サービス「Xi」の契約数が2012年6月8日に300万契約を突破したと発表した。サービス開始から約1年半での達成で、3GのFOMAの300万契約達成よりも約1年早いペースとなる(関連記事:ドコモの「Xi」、300万契約を突破)。

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イー・アクセスは、Android端末向けに提供している「emobileメールアプリ」「EMnetメールアプリ」で絵文字のリニューアルなどのアップデートを実施した。NTTドコモのiモードメールおよびspモードメールで使用している絵文字をベースにしたデザインに変更し、他事業者の携帯電話やスマートフォンを使っているユーザーとの間で、相互に共通した絵文字を利用できるようにする(関連記事:イー・アクセス、Android向けメールアプリでドコモ絵文字へのリニューアル)。

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルは西日本旅客鉄道(JR西日本)と共同で、山陽新幹線のトンネル内の携帯電話サービスエリアを拡大中だ。今回は6月26日始発列車から、福山駅と三原駅の間の7つのトンネル内で携帯電話サービスを開始する(関連記事:山陽新幹線の福山駅〜三原駅間トンネル内が携帯電話のエリアに)。

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固定発携帯着の料金値下げ、1万9800円で200日使えるスマホ

これ以外にも、料金改定やキャンペーンなどキャリアーの施策が発表されている。NTTドコモは、固定電話から携帯電話への通話料金を2012年9月1日に改定する。NTT東日本、NTT西日本の加入電話などの固定電話から、FOMA、Xiの携帯電話にかけた通話料金が対象。区域内、区域外の区別および、時間帯の区別をなくし、一律で3分63円(30秒ごとに10.5円)と現行の最低料金に揃えることで、実質的に値下げする(関連記事:ドコモ、固定電話からFOMAやXiへの通話料を値下げ)。

日本通信は手軽に使えるスマートフォンを提供する。スマートフォン「IDEOS」に200日の3G通信ができるSIMを付属した「IDEOS 200日パッケージ」だ。料金は1万9800円で、2012年6月14日から提供を始めた(関連記事:日本通信、1万9800円で200日利用できるSIMが付いたスマホを発売)。

ソフトバンクモバイルは、iPhoneを新規契約したり、学生で機種変更した人に対して、基本使用料の1年間無料化または1万円キャッシュバックを特典とした「iPhoneかえトクキャンペーン」を実施する。キャンペーン期間はは2012年6月15日〜7月31日である(関連記事:ソフトバンク、基本使用料を1年無料にするなどの「iPhoneかえトクキャンペーン」)。

ビジネスの展開につながる発表もあった。NTTドコモがタワーレコードを子会社する。スマートフォンやタブレット端末の普及により、今後いっそうの成長が見込まれる「コマース事業」の強化を目指す。NTTドコモは、2005年にタワーレコードと資本提携し、協業を進めてきた。株式の追加取得前の出資比率は42.1%だったが、株式を7月中旬に追加取得して取得後の出資比率を50.3%に高め、子会社化する計画だ(関連記事:NTTドコモ、タワーレコードを子会社化しコマース事業強化)。

昨年の第24週のできごと

・既存サービスやアプリ、スマートフォンへの拡大が進む
・テンキー付きストレートタイプのスマホなどイー・アクセスも夏モデル
・UQが100万契約、山陽新幹線のトンネルで携帯電話エリア化
・災害や節電への取り組み、ドコモ通信障害の理由

[2011年第24週]マックのiPhoneアプリ登場、iチャネルもスマホ対応へ、UQは100万契約突破

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。