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[2012年第25週]Xiが1050円安く、人体で通信!? 通信する体重計続々

2012.06.25

Updated by Naohisa Iwamoto on June 25, 2012, 20:00 pm JST

2012年第24週は、6月としては8年ぶりの台風上陸で明けた。この台風4号による被害は大きく、携帯電話事業者各社は災害用伝言板を提供した。また、ドコモとKDDIは、「災害用音声お届けサービス」を提供するなど、対策が行われた(関連記事:台風4号接近に伴う災害用伝言板サービス情報まとめ

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Xiのライトプラン、auかんたん決済の対応拡大

まず、料金や決済の話題から。NTTドコモは、Xiパケット定額サービスおよびデータ通信専用の定額料金プランに、割安な新しいサービス/プランを追加すると発表した。下り最大75Mbpsの通信が月間3GBまで可能という制限付きながら、通常プランよりも月額1050円安く利用できる。新しいサービス/プランは、月額4935円のXiパケット定額サービス「Xiパケ・ホーダイ ライト」、データ通信専用定額料金プランで月額4935円の「Xiデータプラン ライト にねん」、月額6405円の「Xiデータプラン ライト」の3種類。通信量の制限付きながら、他社に比べて割高とのイメージがあるデータ通信料金を引き下げて利用者の流出を防ぐ(関連記事:ドコモ、月間3GBまで月額4935円のライトユーザー向けXiパケット定額サービス)。

KDDIはコンテンツなどの決済で新しい施策。「auかんたん決済」の利用範囲を、モバイルWi-Fiルーターなどauのデータ通信端末に拡大した。これによりauデータ通信端末があれば、タブレットやPCで有料コンテンツを利用するような場合に、月々のデータ通信料金と合算して料金を支払えるようになる。スマートフォンを持っていないユーザーでも、auデータ通信端末があればコンテンツなどを手軽に購入できるようにして、利用者の拡大を狙う(関連記事:KDDI、auのデータ通信端末でも「auかんたん決済」を可能に)。

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人体で通信、人体の情報を通信

人間の身体にまつわるニュースを紹介する。エリクソンは、人体を通信ネットワークの一部としてデータを送受信できる技術コンセプト「Connected Me」を発表した。デモンストレーションでは、人体を伝送路に使い、スマートフォンとデバイスの間で、6〜10Mbpsの通信速度を達成した。データの伝送には、特別なデジタル回路が実装されたスマートフォンとデバイスを使用。送信機の電極で電圧を変調し、受信機の電極で電位の変化を検出することで送信される(関連記事:エリクソン、10Mbpsの人体通信技術「Connected Me」を開発)。

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NTTレゾナントは、世界標準規格のコンティニュア規格対応の体組成計がパソコンやスマートフォンと連携する新しいサービスを、クラウド型健康管理サービス「gooからだログ」で始めた。サービス開始に合わせて、エー・アンド・デイが世界初となる世界標準規格対応・無線機能内蔵の一般向け体組成計を発売、シャープが同規格の対応に必要なスマートフォン向け専用ミドルウエアを提供する(報道発表資料:クラウド型健康管理サービス「gooからだログ」にて、新たなサービスを開始)。

オムロン へルスケアは、体重や体脂肪率などの測定データをパソコンやAndroidスマートフォンに転送できる体重体組成計の新製品を発売した。「オムロン 体重体組成計 HBF-215F カラダスキャン」(以下HBF-215F)で、既存のHBF-214に通信機能を搭載したもの本体に、おサイフケータイ機能付きAndroidスマートフォン/携帯電話、または別売のUSB通信トレイをかざすと、同社の健康管理サービス「ウェルネスリンク」にデータを転送。パソコンやスマートフォンアプリで確認できる(報道発表資料:オムロン 体重体組成計 「HBF-215F」 カラダスキャンコンパクトな薄型設計で、表示も見やすい 6月20日発売

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公衆無線LANサービス、さらに拡充

公衆無線LANサービスが国内外でより便利に使えるようになりそう。KDDIは、全国のサークルKとサンクスの店舗、スターバックス店舗内で公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」を提供する。サークルKとサンクスでは、6月18日時点でau Wi-Fi SPOTを利用できる店舗は約5000で、2012年秋をめどに6208の全店舗へサービスの提供を拡大する。スターバックスの店舗内でau Wi-Fi SPOTサービスを7月2日に始める。当初は東京都内の約200店舗、年内をめどに全国の約850店舗に拡大する予定である(関連記事:KDDI、サークルKサンクスとスターバックスで「au Wi-Fi SPOT」提供)。

NTTドコモは海外での施策を発表している。国際ローミング中のパケット定額サービス「海外パケ・ホーダイ」の利用者に向けて、海外の公衆無線LANサービスを利用できる「WORLD WING Wi-Fi」を2012年7月1日に開始する。国際ローミング中のパケット通信と合わせて1日に20万パケットまでならば1980円、20万パケット以上ならば最大2980円で提携事業者のWi-Fiサービスを利用できる。提供エリアはサービス開始時点で、アメリカ(本土)、韓国、中国、香港、オーストラリア、イギリス、オーストリア、などの18の国と地域となる(関連記事:ドコモ、海外の公衆無線LANサービスを使える「WORLD WING Wi-Fi」

併せてNTTドコモは、ロンドンオリンピック開催に合わせて、イギリスにおける国際ローミング中のパケット定額サービス「海外パケ・ホーダイ」を利用するユーザーの上限額を980円に引き下げる。通常は1980円〜2980円。2012年7月1日〜8月31日の2カ月間、適用する。イギリス旅行者には朗報だ(報道発表資料:イギリス限定「海外パケ・ホーダイ」割引キャンペーンの実施)。

欲しいスマホはGALAXY S III、NECが新タブレット

その他のトピックを確認しておこう。MMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)が、「2012年夏発売の携帯電話・スマートフォン新端末購入意欲調査」の結果を発表している。それによると、この夏に購入予定の端末、気になる端末は、ともに「GALAXY S III」がトップ、続いて2位に「Xperia GX」という結果だった(関連記事:この夏の購入予定、気になる端末は「GALAXY S III」がトップ--MMD研究所調べ)。

NECは、Android搭載クラウドコミュニケーター「LifeTouchシリーズ」に、10.1インチディスプレイを投資した「LifeTouch L(ライフタッチ エル)」を追加した。iPadよりも大画面ながら、薄さ約7.99mm、軽さ約540gという携帯性を実現した。「LifeTouch L」に個人利用・ビジネス利用それぞれの用途に適した機能・アプリを搭載し、個人向けは7月5日から販売、ビジネス向けは7月下旬から出荷する(報道発表資料:薄さ・軽さを追求したAndroid(TM) 4.0搭載10.1型タブレット「LifeTouch L」を個人向け・ビジネス向けに発売)。

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昨年の第25週のできごと

・ドコモはフェムトセルにシフト?
・ウイルス対策も、ライブ中継も、スマホで無料!
・タブレット端末、電子書籍端末にも動き!
・接続料問題は解決へなお道遠し?

[2011年第25週]ドコモはフェムト値下げやスマホ無償ウイルス対策、KDDIはサムスン製LTEを導入へ

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。