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アップルの「Facetime」、「iOS 6」では携帯通信網でも利用可能に

2012.06.12

Updated by WirelessWire News編集部 on June 12, 2012, 11:13 am JST

FaceTime - iOS 6 Preview
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米国時間11日に開幕したアップル(Apple)の開発者向けカンファレンス「Worldwide Developer Conference」(WWDC)の基調講演で、同社の次期モバイルOS「iOS 6」が発表された。さまざまな機能の改善や追加が盛り込まれる同OSでは、これまでWi-Fi接続時だけに利用可能だったビデオ通話機能「FaceTime」が、携帯ネットワークにも対応することになるという。

新たなFacetimeは3G網と4G網(いまのところ、新型iPadのみが対応)で利用可能となる。また、アップルIDと携帯電話番号を統合することで、iPhoneにかかってくる電話をiPadやMacで受け取ることも可能になるという。

この話題を採り上げたGigaOMでは、FaceTimeを携帯通信網経由で利用した場合、大量のデータトラフィックが発生するのではないかという懸念に触れている。米市場ではベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless:以下、ベライゾン)やAT&Tがすでにデータ通信料の従量制課金に移行しており、ユーザーとしてはデータ使用量がどうしても気になるところ。この点についてGigaOMでは、「Jailbreak」を使って「脱獄」したiPhoneでFaceTimeを利用した場合のデータ消費量の例を紹介しているが、この例によると3GネットワークでFaceTimeを利用した場合、1分あたりのデータ量は約3メガバイトとなり、ベライゾンの月額30ドル(上限2ギガバイト)プランなら666分、AT&Tの月額30ドル(同3ギガバイト)プランなら1000分は話せるとしている。

その上で、AT&Tやベライゾンが提供している音声通話プランが450分で40ドル、900分で60ドルとなっていることを考えると、アップル製品ユーザー間でしか通話できないにせよ、FaceTimeの利用は割安になると指摘している。

いっぽう、携帯通信事業者各社にとっては、とくに高速な4G LTE網への加入を促す「呼び水」のひとつとしてFaceTimeを使える可能性があると同時に、ビデオ通話によるトラフィック増加がネットワークの負荷増大につながる懸念や、音声通話の売上減少の懸念もあり、痛し痒しの機能となりかねない。

【参照情報】
FaceTime over 3G? A bargain vs. carrier voice plans - GigaOM
Apple announces iOS 6 will allow FaceTime calls over cellular networks - TNW
iOS 6 adds FaceTime over cellular networks, lets you send video calls from your phone number - The Verge

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