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アップル、HTCを提訴 - 今度は4G/LTE関連の「FRAND特許」濫用を理由に

2012.06.25

Updated by WirelessWire News編集部 on June 25, 2012, 10:43 am JST

アップルは米国時間21日、HTCが4G/LTE関連の2つの「必須標準特許」(「FRAND」特許)を濫用しているとして、HTCを相手取った訴えを米バージニア州の連邦裁判所に提出した。

知財分野を専門とするFOSS Patentsによると、アップルは、HTCが2件の「必須標準特許」を使って、アップルを訴えていることを問題視しているという。FRAND特許は他社への「公平、妥当、非差別的」(Fair、Reasonable、Nondiscriminatory)なライセンス提供が義務づけけられたものだが、これをつかったHTCの訴えはこの義務に反するというのがアップルの考え。

HTCは最近まで、アップルが同社の8つの特許を侵害していると米国国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission:以下、ITC)に訴えていた。しかし、ITCは先週、このうちHTCがグーグル(Google)から最近譲り受けた5つの特許に関して、現時点ではアップルへの訴えに利用することはできないとし、根拠となる特許は3つになっていた。

今回アップルが訴えを起こしたFRAND特許は、この残った3つのうちの2つにあたり、仮にこの訴えが認めらると、根拠となる特許は1つだけになるという。

FRAND特許を使って競合他社を訴える動きはHTC以外にモトローラ(Motorola)やサムスン(Samsung)の間にも広がっているが、こうした動きに対しては「濫用」を懸念する声も上がっており、すでに欧州ではモトローラやサムスンに対する調査が進んでいる。いっぽう米国ではシカゴ連邦裁判所でアップル対モトローラ間の訴訟を担当するリチャード・ポズナー(Richard Posner)判事が、モトローラに対し、必須標準特許を使った特許侵害の訴えは認めないとの考えを示していた。

他社との場合と同様、アップルとHTCは特許侵害を争点として互いを訴え合ってきている。そのうち、米ITC(国際貿易委員会)での争いでは、アップルからの訴えが認められ、HTC製スマートフォンの米国への輸入差し止めが認められたことから、5月にはHTCによる新製品の米国投入に遅れが出ていたと伝えられていた。

【参照情報】
Apple sues HTC in Virginia court for abuse of 4G/LTE standard-essential patents - FOSS Patents
Apple seeks to deliver another blow to HTC with anti-competitive charges in federal court - The Verge
Apple hits HTC with counterclaim lawsuit for failure to FRAND license 4G patents - Engadget
EU、モトローラへの調査を検討 - 必須標準特許の扱いに関して
欧州委員会、サムスンを本格調査へ - 「FRAND」特許濫用の疑いで
米連邦裁判事がアップルの訴えを却下 - 対モトローラ特許訴訟
米ITC、アップルの訴えを認める最終判断 - HTC製Android端末に輸入差し止め命令
HTC製スマートフォン、米国市場の投入に遅れ - 対アップル特許訴訟の影響で

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